インド中銀、9会合連続で金利据え置き インフレ抑制を重視
8月8日 インド準備銀行(中央銀行)は8日、主要政策金利のレポレートを6.50%に据え置いた。写真は2016年8月、ムンバイで撮影(2024年 ロイター/Danish Siddiqui)
Swati Bhat Sudipto Ganguly
[ムンバイ 8日 ロイター] - インド準備銀行(中央銀行)は8日、主要政策金利のレポレートを6.50%に据え置いた。据え置きは予想通りで9会合連続。引き続きインフレ率を目標の4%に向けて持続的に引き下げることを目指す。
6人の金融政策委員会メンバーのうち4人が金利据え置きを支持した。
金融政策スタンスは「緩和の解除」で維持した。6人中4人がこのスタンスを支持した。
7月下旬のロイター調査ではエコノミスト59人全員が金利の据え置きを予想していた。
中銀のダス総裁はインフレ率を中期的な目標である4%に向けて引き下げることが重要だと指摘。食品価格の上昇率が「頑固に」高止まりしていると述べた。
「経済成長は引き続き堅調で、インフレは下降傾向にあり、物価安定の達成に向けて前進した。だが道のりはまだ遠い」と指摘した。持続可能な成長には物価安定の確保が重要と強調した。
コタック・マヒンドラ銀行のチーフエコノミスト、ウパスナ・バードワジ氏は「経済成長は引き続き力強く、金融政策委員会はインフレの鈍化傾向を確認するために政策スタンスを維持する余地がある」と述べた。
同氏は中銀が10月に政策スタンスを変更し、12月から利下げを始める可能性があるとの見方を示した。
中銀がタカ派的な政策姿勢を維持したことで、インド株は一時下落したが、その後は横ばいとなった。
指標10年物国債利回りは政策決定前の6.8678%から6.872%へ小幅上昇した。インドルピーは1ドル=83.93ルピーと、ほぼ横ばい。
ダス氏は声明で、最近の市場の不安定さと主要中銀による利下げの動きを認めつつも、中期的な世界経済の成長には大きな課題があるとの見方を示した。
記者会見で「国内外で発表されるあらゆるデータを注視していく」と述べた。海外要因でインド中銀の金融政策の方向性が変わる可能性については言及しなかった。
DBS銀行のシニアエコノミスト、ラディカ・ラオ氏は「米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が急速に高まっているにもかかわらず、政策指針は国内の状況を優先する姿勢を強調した」と指摘した。
<成長・インフレ予測は変更なし>
中銀は2025年度の経済成長予測を7.2%で据え置いた。24年度は8.2%だった。
ダス氏は国内の経済活動は依然として底堅いと述べた。
25年度のインフレ予測も4.5%で据え置いた。
ダス氏は変動の激しい食品とエネルギー価格を除いたコアインフレ率の低下について、「一般の人々は総合インフレ率の他の項目よりも、食品価格の上昇からインフレを捉えている」と述べた。
「従ってコアインフレ率が大幅に低下したからといって満足はできないし、そうすべきでもない」とくぎを刺した。