「コーチ」の「マイケル・コース」買収阻止へ訴訟の審理開始
9月9日、ファッションブランドの「コーチ」や「ケイト・スペード」を保有する米タペストリーが「マイケル・コース」を展開する米カプリ・ホールディングスを85億ドルで買収する計画が市場の競争を阻害するとして米連邦取引委員会(FTC)が起こした訴訟の審理が、ニューヨークの連邦地方裁判所で始まった。写真はFTCの看板。2020年8月、米ワシントンで撮影(2024年 ロイター/Andrew Kelly)
Siddharth Cavale
[ニューヨーク 9日 ロイター] - ファッションブランドの「コーチ」や「ケイト・スペード」を保有する米タペストリーが「マイケル・コース」を展開する米カプリ・ホールディングスを85億ドルで買収する計画が市場の競争を阻害するとして米連邦取引委員会(FTC)が起こした訴訟の審理が9日、ニューヨークの連邦地方裁判所で始まった。
FTCは、タペストリーがカプリを買収すれば、「手の届く高級」ハンドバッグ市場で50%以上のシェアを握ることになり、競争が妨げられると指摘。FTCは「手の届く高級」ハンドバッグ市場を価格帯が100─1000ドルの製品と定義しており、コーチとマイケル・コースの大半の製品がこの価格帯に該当する。
FTCの首席法務顧問ニコル・リンドクイスト氏は連邦地裁の判事に、タペストリーのカプリ買収による影響は、競争と技術革新を妨げて価格を引き上げることで「米国の働く中間層の女性」を直撃すると訴えた。
これに対しタペストリーの弁護人は、FTCの見解はハンドバッグ市場の「商業的な現実」を反映していないと指摘。ハンドバッグ市場で顧客はこうした価格帯の製品が溢れる状況に直面していると強調した。
審理は1週間半ほど続く見込み。タペストリーのジョアン・クレボイセラ最高経営責任者(CEO)やデザイナーのマイケル・コース氏が後日、証言する予定。
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