大手商社、原油は60-70ドルで推移と予想 供給過剰で
9月9日、大手資源商社トラフィギュラと商品取引大手ガンバーの幹部は、原油価格について、中国の需要が低迷し、世界的な供給過剰が根強く続くため、1バレル=60-70ドルの範囲で推移するとの見通しを示した。写真はテキサス州の油田で2019年11月撮影(2024年 ロイター/Angus Mordant)
Florence Tan Chen Aizhu Trixie Yap
[シンガポール 9日 ロイター] - 大手資源商社トラフィギュラと商品取引大手ガンバーの幹部は9日、原油価格について、中国の需要が低迷し、世界的な供給過剰が根強く続くため、1バレル=60-70ドルの範囲で推移するとの見通しを示した。アジア太平洋石油会議(APPEC)で発言した。
原油価格は今年に入っていったん90ドル超を付けたものの、その後は中国と米国での需要の弱さが重しとなり、下落している。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟のロシアなどで構成するOPECプラスが今月5日、10月から予定していた原油の供給拡大を2カ月延期すると決めたことで供給過剰への懸念はある程度和らいだが、商品トレーダーはこうした流れは一時的だとみている。
トラフィギュラの石油部門グローバルヘッド、ベン・ルコック氏はOPECプラスの決定について「市場は2カ月間、ほんの少し甘い菓子を与えられただけだ」と指摘。原油価格は「比較的早い段階で60ドル台に下落する可能性がある」と述べた。
ガンバーのトールビョン・トルクビスト会長も、現在の全世界の原油生産量は消費量を上回っており、今後数年間に需給バランスがさらに悪化する見通しであることを考えれば、原油の適正価格は70ドルだとの見方を示した。会長は、問題はOPECプラスが外部の原油増産をコントロールできないことだとし、その外部での増産がかなりの規模になっていることを指摘した。