ニュース速報
ワールド

世界の選挙、自由・公正さ示す指数が過去最大の低下=政府間組織

2024年09月17日(火)14時38分

 9月17日、スウェーデンに本拠を置く政府間組織「民主主義・選挙支援国際研究所(IDEA)」は、投票率の低下と選挙結果に対する論争が世界的に増加し、選挙の信頼性を脅かしていると警告した。写真は米ペンシルベニア州で2022年11月撮影(2024年 ロイター/Quinn Glabicki)

[ストックホルム 17日 ロイター] - スウェーデンに本拠を置く政府間組織「民主主義・選挙支援国際研究所(IDEA)」は17日、投票率の低下と選挙結果に対する論争が世界的に増加し、選挙の信頼性を脅かしていると警告した。2023年は自由で公正な選挙に関するサブ指数が過去最大の低下を記録したという。

IDEAが公表している世界の民主主義の状況を示す指数によると、23年は民主主義全体のパフォーマンスが差し引きで8年連続して低下し、低下期間は1975年の統計開始以来最長となった。

同指数は100を超える変数に基づいて作成され、代表性、権利、法の支配、参加の主要4分野からパフォーマンスを分類。このうち代表性の中の自由で公正な選挙と議会の監視に関する民主主義のサブ指数が昨年に最悪となった。

ケビン・カサス・サモラ事務局長は「民主主義の成功は多くの要素に左右されるが、選挙が失敗すれば完全に不可能になる」と述べた。

IDEAは、政府による脅迫、不正な有権者登録や開票作業などの選挙プロセスで不正が増加していると指摘。外国の干渉、偽情報、選挙運動における人工知能(AI)使用の脅威も課題を増幅させていると分析した。

さらに、08年に65.2%だった世界の投票参加率は23年には

55.5%に低下。このほか、20─24年に各国で行われた選挙の約20%で、敗北候補の一人または政党の一つが選挙結果を拒否した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

深セン日本人学校の児童死亡、中国に安全確保強く求め

ビジネス

独連銀総裁、銀行合併は「競争力ある金融機関生む必要

ワールド

台湾、米国等との協力で戦闘効率が向上=国防相

ワールド

米東海岸の港湾スト、実施されれば直ちに供給網混乱も
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    クローン病と潰瘍性大腸炎...手ごわい炎症性腸疾患に高まる【新たな治療法】の期待
  • 2
    北朝鮮で10代少女が逮捕、見せしめに...視聴した「禁断の韓国ドラマ」とは?
  • 3
    「ポケットの中の爆弾」が一斉に大量爆発、イスラエルのハイテク攻撃か
  • 4
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 5
    浮橋に集ったロシア兵「多数を一蹴」の瞬間...HIMARS…
  • 6
    「トランプ暗殺未遂」容疑者ラウスとクルックス、殺…
  • 7
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優…
  • 8
    地震の恩恵? 「地震が金塊を作っているかもしれない…
  • 9
    岸田政権「円高容認」の過ち...日本経済の成長率を高…
  • 10
    米大統領選を左右するかもしれない「ハリスの大笑い」
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは...」と飼い主...住宅から巨大ニシキヘビ押収 驚愕のその姿とは?
  • 3
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢な処刑」、少女が生き延びるのは極めて難しい
  • 4
    キャサリン妃とメーガン妃の「ケープ」対決...最も優…
  • 5
    【クイズ】自殺率が最も高い国は?
  • 6
    北朝鮮で10代少女が逮捕、見せしめに...視聴した「禁…
  • 7
    ロシア空軍が誇るSu-30M戦闘機、黒海上空でウクライ…
  • 8
    エリザベス女王とフィリップ殿下の銅像が完成...「誰…
  • 9
    ウィリアムとヘンリーの間に「信頼はない」...近い将…
  • 10
    世界に離散、大富豪も多い...「ユダヤ」とは一体何な…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 4
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 5
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 6
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 7
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 8
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 9
    止まらない爆発、巨大な煙...ウクライナの「すさまじ…
  • 10
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中