ニュース速報
ワールド

中国軍、23年に台湾侵攻想定した演習 米インド太平洋軍幹部が指摘

2024年05月23日(木)13時17分

米インド太平洋軍のスティーブン・スクレンカ副司令官(海兵隊中将)は23日、中国人民解放軍が2023年に台湾海峡で実施した軍事演習で台湾侵攻を想定した演習が行われたと指摘した。写真は台湾海峡で米駆逐艦の甲板から見た近くを航行する中国軍艦で2023年6月に撮影。提供写真(2024年 ロイター)

[シドニー/キャンベラ 23日 ロイター] - 米インド太平洋軍のスティーブン・スクレンカ副司令官(海兵隊中将)は23日、中国人民解放軍が2023年に台湾海峡で実施した軍事演習で台湾侵攻を想定した演習が行われたと指摘した。海上・上空の封鎖、上陸作戦、他国軍の介入への対応などを想定した訓練を実施したと述べた。ただ中国軍の侵攻が差し迫っているわけでなく、不可避でもないとの見解も示した。オーストラリア・キャンベラの記者クラブで述べた。

20日に台湾で頼清徳氏が新総統に就任し、中国は23日から台湾周辺で軍事演習を開始した。

スクレンカ副司令官は、中国の軍事演習は、22年から続けている台湾への圧力の一環だとし、かつてはめったになかった台湾の防空識別圏侵入が今や常態化していると指摘した。

習近平国家主席が27年までに台湾侵攻の準備を整えるよう軍に指示したことは真剣に受け止める必要があるとしたものの、攻撃は避けられないものでなく、差し迫ったものでもないとした。

「インド太平洋地域での紛争がどれほど壊滅的なものか、いくら強調しても足りない」とし「過去80年間、比較的平和で安定した国際秩序を維持してきた。だからこそ、我々は紛争を防ぐために協力する必要がある」と述べた。

アジア太平洋で海洋進出を活発化させる中国は、南シナ海でフィリピンと対立している。

スクレンカ氏は、中国は「過剰で、違法で、修正主義的な」海洋権益を追求するため、自国船を使って周辺国に嫌がらせや強要を繰り返していると述べた。

今月初め、黄海でオーストラリア軍ヘリコプターの周辺に中国軍機が照明弾を投下した。

スクレンカ氏は、同様な妨害行為を21年以降、およそ300件検知していると述べた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

アングル:調整局面入りの米国株、一段安の瀬戸際か

ワールド

原油先物は反発、ウクライナ停戦合意なお不透明

ワールド

コロンビア大、親パレスチナデモで建物占拠の学生処分

ワールド

エアプサン火災、補助バッテリーのショートが原因か=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ世代の採用を見送る会社が続出する理由
  • 3
    【クイズ】世界で1番「石油」の消費量が多い国はどこ?
  • 4
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 5
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 6
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 7
    SF映画みたいだけど「大迷惑」...スペースXの宇宙船…
  • 8
    「紀元60年頃の夫婦の暮らし」すらありありと...最新…
  • 9
    113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎…
  • 10
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 6
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 7
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 8
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 9
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 10
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 6
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中