エクアドル警察のメキシコ大使館突入、中南米から非難殺到
エクアドルの警察当局が5日夜に首都キトのメキシコ大使館に強行突入し、大使館に滞在していたグラス元副大統領を逮捕したことを受け、中南米諸国は6日、メキシコへの支持を相次いで表明した。大使館のスタッフが帰国後、会見するメキシコのバルセナ外相。4月7日、メキシコ市で撮影(2024年 ロイター/Quetzalli Nicte-Ha)
Alexandra Valencia
[キト 6日 ロイター] - エクアドルの警察当局が5日夜に首都キトのメキシコ大使館に強行突入し、大使館に滞在していたグラス元副大統領を逮捕したことを受け、中南米諸国は6日、メキシコへの支持を相次いで表明した。
グラス氏は汚職罪で有罪判決を受け、昨年12月から政治亡命を求めてメキシコ大使館に滞在していた。メキシコ政府は5日、同氏の亡命を認めた。メキシコのロペスオブラドール大統領は、グラス氏の逮捕は「権威主義的」な行為であり、メキシコの主権を侵害していると反発、エクアドルとの外交関係を停止した。
左派のブラジルやコロンビア、右派のアルゼンチンやウルグアイまで、中南米諸国が政治的な立場を超えてグラス氏逮捕を非難。ブラジルは、外国大使館への突入を禁止する国際規範の「明らかな違反」としてメキシコとの連帯を示した。
米国務省のミラー報道官も、外交使節団を保護する条約違反を非難すると述べた上で「両国が国際的な規範の下で意見の相違を解決することを奨励する」とした。
エクアドルは、グラス氏が汚職で有罪判決を受ていることから亡命保護は違法と主張している。ただ国際法上、大使館はその国の主権が及ぶ領域と見なされる。