EUはアフリカのWTO改革に協力を、中国への対抗手段=独IW

12月6日、ドイツ経済研究所(IW)は中国の市場をゆがめる行為と外交的影響力に対抗するために、欧州連合(EU)はアフリカ諸国と協力して世界貿易機関(WTO)の補助金ルールを改革すべきと訴えた。ジュネーブで2021年撮影(2023年 ロイター/Denis Balibouse)
Sarah Marsh
[ベルリン 6日 ロイター] - ドイツ経済研究所(IW)は中国の市場をゆがめる行為と外交的影響力に対抗するために、欧州連合(EU)はアフリカ諸国と協力して世界貿易機関(WTO)の補助金ルールを改革すべきと訴えた。
公表前の論文を6日、ロイターが入手した。
EUと中国は7─8日に北京で首脳会談を行う。不正競争の問題が最重要議題になるとみられている。
WTOのアフリカ交渉グループは途上国に対する支援を強化するために補助金ルールの改革を提案している。IWはこのイニシアチブを拡大し、世界の主要貿易国に対する補助金規則も強化するよう提言している。
主要貿易国に相当するかどうかは国際貿易に占める割合や所得水準に応じて決定されるため、WTOで途上国に分類されている中国も影響を受ける。こうした共同イニシアチブは中国に改革を受け入れるよう圧力をかけ、世界的な補助金競争を抑制するのに寄与する可能性がある。
論文は途上国の利益の代弁者であることを示そうとする中国にEUが対抗し得るとも指摘した。「中国がこの改革を阻止すれば、開発のためにできるだけ政策余地を確保したいアフリカなど途上国の重要な利益も妨げられることになる」とした。