米、自動運転車の安全規則を一部緩和へ 中国に対抗と運輸長官

4月24日、トランプ米政権は自動運転車の普及加速を目指し、人間のドライバーを想定した特定の安全要件の対象から一部を除外し、事故の報告を義務付けるルールを緩和すると発表した。写真は自動運転システムを利用中のテスラ車内。2023年10月、カリフォルニア州エンシニータスで撮影(2025年 ロイター/Mike Blake)
David Shepardson
[ワシントン 24日 ロイター] - トランプ米政権は24日、自動運転車の普及加速を目指し、人間のドライバーを想定した特定の安全要件の対象から一部を除外し、事故の報告を義務付けるルールを緩和すると発表した。
ダフィー運輸長官は自動運転車の普及に向けた新たな枠組みが、中国のライバルと競う米自動車メーカーを後押しすると説明。「政権は米国が中国と技術革新競争をしていることを理解している」と述べた。
新たなルールでは、バックミラーを装備するなどの連邦安全基準を満たさない一部の自動運転車が道路を走行できるようになる。また、さほど深刻でない事故について、自動車メーカーに月次の報告を認める。
道路交通安全局(NHTSA)は、一部の自動運転車を安全要件の適用除外とするプログラムを拡大し、高度運転支援システムや自動運転システムに関する事故の報告を合理化すると発表した。
トランプ大統領に近い電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、ロボタクシー(自動運転タクシー)を近く商用化する考えを繰り返し示している。また、テスラは死亡事故発生を受け、運転支援システム「フルセルフドライビング(FSD)」を巡りNHTSAの調査にも直面している。