中国ディープシーク、無断で個人情報とプロンプトを転送=韓国当局

4月24日、韓国の個人情報保護委員会(PIPC)は、中国の新興人工知能(AI)企業ディープシークが韓国のアプリ市場でサービスがダウンロード可能だった時期に、ユーザー情報とプロンプトを無断で転送していたと明らかにした。写真は、ディープシークのロゴが表示された携帯。
[ソウル 24日 ロイター] - 韓国の個人情報保護委員会(PIPC)は24日、中国の新興人工知能(AI)企業ディープシークが韓国のアプリ市場でサービスがダウンロード可能だった時期に、ユーザー情報とプロンプトを無断で転送していたと明らかにした。
PIPCは声明で、ディープシークは1月に韓国でサービスを開始した際、ユーザーの同意を得ずに中国と米国の多くの企業に個人情報を転送していたと述べた。
ディープシークが韓国の個人データ保護規則を一部考慮していなかったと認めたことを受け、PIPCは2月、ディープシークのアプリの新規ダウンロードを停止した。
PIPCは24日、ディープシークは、ユーザーが入力したAIプロンプトの内容をデバイスやネットワーク、アプリ情報とともに、北京字節跳動科技(バイトダンス)傘下の企業向け技術サービスプラットフォームを手がける火山引擎科技有限公司に送信したと公表した。
ディープシークはその後PIPCに、火山引擎に情報を送信したのはユーザー体験の向上が目的だったことと、4月10日からAIプロンプトの転送を停止したことを伝えた。
PIPCはディープシークに対し、火山引擎に転送したAIプロンプトの内容を直ちに削除し、個人情報を海外に転送する法的根拠の確立を求める是正勧告を出すことを決めた。
中国外務省は24日、韓国の発表に言及し、中国政府は企業に対し違法にデータの収集や保存を求めたことは一切なく、今後も求めることはないと表明した。
ディープシークはコメント要請に応じていない。