独経済成長率1%下押しの可能性、米相互関税25%で試算=研究機関

公的研究機関のドイツ労働市場・職業研究所(IAB)が11日発表した調査報告によると、トランプ米政権がドイツに25%の「相互関税」を課した場合、ドイツの国内総生産(GDP)は1年間で1%ポイント押し下げられる可能性がある。写真は、積み出しターミナルのコンテナ船。4月7日、ドイツのハンブルクで撮影。(2025年 ロイター/Fabian Bimmer)
[ベルリン 11日 ロイター] - 公的研究機関のドイツ労働市場・職業研究所(IAB)が11日発表した調査報告によると、トランプ米政権がドイツに25%の「相互関税」を課した場合、ドイツの国内総生産(GDP)は1年間で1%ポイント押し下げられる可能性がある。
雇用への影響では、就業者数は9万人、労働力人口が1万人それぞれ減少する見通しだ。IABのマクロ経済担当の責任者エンツォ・ウェーバー氏は「(従来の)経済構造危機に加え、新たに貿易危機が重なり、産業界は大打撃を被る」と指摘した。
ドイツは現在、世界の大半の国と同様に、相互関税のうち一律分10%が課されている。上乗せ分の10%はトランプ大統領が9日、90日間の一時停止を表明した。IABは相互関税が総計25%となった場合を想定して試算した。
これとは別にドイツ経済研究所(IW)がオックスフォード・エコノミクスのグローバル経済モデルに基づいて試算したところでは、米国と中国の間で現在続く高関税措置の応酬の余波だけで、ドイツのGDPは25年から28年にかけて年平均1.1%減少する恐れがある。