物価、5年後「上がる」は83.5%に増加 食品高騰で上振れ=日銀3月調査

4月11日、日銀がに発表した「生活意識に関するアンケート調査」によると、5年後に物価が「上がる」と予想する回答者の割合は83.5%となり、昨年12月の前回調査の82.5%を上回った。コメなど食料品価格の高騰が続く中、短期のみならず中長期の予想インフレも上振れている可能性がある。写真は2023年1月、日銀本店で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Takahiko Wada
[東京 11日 ロイター] - 日銀が11日に発表した「生活意識に関するアンケート調査」(第101回<2025年3月調査>)によると、5年後に物価が「上がる」と予想する回答者の割合は83.5%となり、昨年12月の前回調査の82.5%を上回った。24年9月以来の高水準。コメなど食料品価格の高騰が続く中、短期のみならず中長期の予想インフレも上振れている。
「5年後の物価が現在と比べ毎年、平均何%程度変化すると思うか」の問いに対して、平均値が9.6%上昇、中央値が5.0%上昇だった。平均値は前回を上回り、06年9月以降で最高を更新した。5年後の物価が上昇すると考える理由としては「最近物価が上がっているから」との回答が引き続き最も多く、81.7%となった。
1年後の物価が「上がる」と予想する回答者の割合は86.7%となり、こちらも前回調査の85.7%を上回った。24年6月以来の高水準。1年後の物価の数値予想では、平均値が12.2%上昇で06年9月以降の最高を更新、中央値は10.0%上昇となった。
日銀の担当者は「食料品やガソリン等の足元の価格上昇が先行きの物価の見方にも影響したと考えている」と述べた。
日銀は2%の物価安定目標の実現には家計や企業のインフレ期待の高まりが重要と位置付けており、同アンケートは家計のインフレ期待の動向を把握する指標の一つとなっている。ただ、今回の調査期間は2月6日から3月4日で、トランプ米大統領が打ち出した相互関税やその後の市場動揺の影響は調査結果に反映されていない。