ニュース速報
ビジネス

日経平均は急反発、米関税90日間停止を好感 上昇幅歴代2位

2025年04月10日(木)16時23分

 4月10日、東京株式市場で日経平均は、前営業日比2894円97銭高の3万4609円00銭と急反発した。写真は8日、都内の株価ボード前で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

Fumiya Mizuno

[東京 10日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比2894円97銭高の3万4609円00銭と急反発した。トランプ米大統領が9日、貿易相手国に対する相互関税の上乗せ部分を90日間停止すると発表したことを好感し、全面高商状となった。日経平均の上昇幅は昨年8月6日の3217円04銭高に次いで歴代2位、上昇率9.13%は7位となった。

米国の相互関税措置に3カ月猶予ができたことで、それまでに交渉が進むとの期待が高まり、これまで売り込まれた業種を中心に買い戻しが活発化した。ただ、トランプ大統領の発言が何度も変わった経緯から「不透明感は依然として残っており、楽観はできない」(国内証券ストラテジスト)との声が聞かれる。

テクニカル面では、直近戻り高値である3月26日の3万8220円69銭から押した幅の半値戻しは3万4506円71銭を更新。「半値戻しは全値戻し」と言われるため、上値追いに弾みが付くとの期待は生じている。次の目標としては、心理的な節目の3万5000円、昨年12月27日の戻り高値4万0398円23銭からの半値戻しとなる3万5595円48銭などが意識されるという。

東海東京インテリジェンス・ラボ マーケットアナリストの池本卓麻氏は「7月まで交渉余地が出たことから、3月期企業は2026年3月期見通しについて予想数値を立てにくくなった。コロナ禍の時のように見通し非開示、あるいは公表延期の企業が相次ぐと想定され、中期的な株価の動きが読めない」と指摘していた。

TOPIXは8.09%高の2539.40ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比8.09%高の1306.89ポイントだった。プライム市場の売買代金は5兆5949億3600万円だった。

東証33業種では、非鉄金属、電気機器をはじめ全業種が値上がりした。

個別では、ソフトバンクグループ、ファーストリテイリングがなど指数寄与度が高い銘柄が大幅高となったほか、東京エレクトロン、アドバンテストなど半導体関連株も軒並み高。金利上昇を手掛かりに三菱UFJフィナンシャルグループなど銀行株が総じて高く、主力銘柄もトヨタ自動車を筆頭に全面高商状となった。

新興株式市場は、東証グロース市場250指数が7.08%高の613.64ポイントと、上昇した。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1623銘柄(99%)、値下がりは8銘柄(0%)、変わらずは6銘柄(0%)だった。

終値 前日比 寄り付き    安値/高値  

日経平均 34609.00 2894.97 32321.21 32,320.66─34,639.39

TOPIX 2539.40 190.07 2395.14 2,394.66─2,545.31

プライム指数 1306.89 97.84 1232.48 1,232.37─1,309.88

スタンダード指数 1211.93 57.58 1176.97 1,176.97─1,212.66

グロース指数 784.83 50.43 751.1 751.10─788.05

グロース250指数 613.64 40.55 585.86 585.86─615.94

東証出来高(万株) 274921 東証売買代金(億円) 55949.36

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

英労働市場に減速の兆し、企業の税負担増を前に 賃金

ワールド

ウクライナ和平案、米国との合意は容易ではない=ロシ

ビジネス

焦点:ルイ・ヴィトン、テキサスの生産苦戦 米拠点拡

ワールド

自民が対米交渉で会合、赤沢再生相「国益や効果考え抜
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトランプ関税ではなく、習近平の「失策」
  • 3
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができているのは「米国でなく中国」である理由
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 6
    NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険…
  • 7
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 8
    シャーロット王女と「親友」の絶妙な距離感が話題に.…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 4
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 7
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 8
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 9
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 10
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中