午後3時のドルは147円半ば、関税交渉控え楽観広がらず

4月8日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤から小幅ドル安/円高の147円半ばで取引されている。写真は円と米ドル紙幣。3月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
Shinji Kitamura
[東京 8日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤から小幅ドル安/円高の147円半ばで取引されている。株式市場の急反発などを背景に、ドルも一時148円へ切り返したが、米国との関税交渉を控えて楽観は広がらず、反発は限られた。
前日海外市場で148円台まで3円超上昇したドルは、東京市場の序盤こそ148円前半で取引されたものの、次第に上値の重さが目立ち始め、昼前には147円前半まで下落した。午後に再び147円後半へ反発したが、買いの勢いは続かず、午後3時過ぎには147円前半へ一段安となっている。
この日は前日に急落した日経平均が一時2000円超反発したほか、アジア株や米株先物などが全面高となり、ドルと円が売られる一方で、豪ドルやNZドルが買われるリスクオン型の値動きが進行。ドル/円は横ばいとなったが、豪ドルは89円前半と前日安値から3円上昇した。
円売りが限られた一因として、今後の日米通商交渉への懸念を挙げる声もあった。日本にも高い関税率が課されたことで「日米首脳会談で示した対米投資の増額などだけでは、トランプ米大統領の納得を得られなかった。通貨安にも懸念を示されており、円高誘導策を提示する必要性が高いとみている」(みずほ証券チーフ為替ストラテジストの⼭本雅⽂氏)という。
<3月に過去最大の対外株式投資>
財務省がきょう発表した3月の対外株式投資が2兆0039億円と、過去最大となったことも話題となったが、円相場の反応は限られた。
新NISA(少額投資非課税制度)を経由した個人資産の動きを反映するとされる投資信託が1兆1098億円の買い越しと、1月以来の1兆円台乗せとなったほか、国内年金基金が多いとされる信託銀行の信託勘定も7638億円の買い越しと、7カ月ぶりに取得超へ転じたことが主因となった。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 147.59/147.60 1.0968/1.0970 161.89/161.90
午前9時現在 147.79/147.81 1.0914/1.0915 161.31/161.32
NY午後5時 147.84/147.85 1.0904/1.0905 161.24/161.27