自動車各社、関税逃れの駆け込み需要に便乗 数カ月後に大幅値上げも

4月4日、トランプ米大統領による自動車輸入関税に対応し、各自動車メーカーは駆け込み需要を取り込もうと販売促進措置を打ち出す一方、関税が長期化するなら劇的な価格引き上げを余儀なくされると米議員に訴えている。写真は欧米自動車大手ステランティスのロゴ。2024年9月、仏レンヌで撮影(2025年 ロイター/Stephane Mahe)
[4日 ロイター] - トランプ米大統領による自動車輸入関税に対応し、各自動車メーカーは駆け込み需要を取り込もうと販売促進措置を打ち出す一方、関税が長期化するなら劇的な価格引き上げを余儀なくされると米議員に訴えている。
関税への対応に奔走するメーカーにとって、関税を恐れる消費者による駆け込み購入の急増は一時的な光明だ。3月の自動車販売は増加し、各社は今後数カ月中にさまざまな販促措置による市場シェア拡大を狙っている。
業界専門家は、この機会に他社の忠実な顧客を奪えるとすれば、「販促措置は恒久的な成果を挙げる可能性を秘めている」と述べた。
欧米自動車大手ステランティスは4日、一部新型モデルについて幅広い市場で従業員向けの値引きプログラムを延長すると発表した。米フォード・モーターも同様の措置を打ち出している。
日産自動車は4日の週、2025年型の「ローグ」および「パスファインダー」を値引きすると発表した。韓国の現代自動車は現行モデルの希望小売価格を6月2日まで据え置くとしている。
米ゼネラル・モーターズ(GM)は4日時点で4月の販促オファーを変更していないと説明した。
ただ、上院商業委員会のテッド・クルーズ委員長(共和党)は4日のポッドキャストで、ビッグスリーのうち1社から、既存の在庫がなくなる6月頃から米国内の価格を大幅値上げすると警告されたと明かした。クルーズ氏は「全ての自動車の平均価格が4500ドル上昇するだろう。値上がりするのは外国車だけではない」と語った。