焦点:トランプ関税で世界経済は一段と地盤沈下か、国際経済システム転換点へ

4月2日、トランプ米大統領は、貿易相手国と同水準の関税を課す相互関税の詳細を発表した。写真は、米ボルチモア港のコンテナ船。4月2日、メリーランド州ボルチモアで撮影(2025年 ロイター/Evelyn Hockstein)
Mark John Francesco Canepa
[ロンドン 2日 ロイター] - トランプ米大統領は2日、貿易相手国と同水準の関税を課す相互関税の詳細を発表した。全ての国に一律10%の税率が適用され、日本や中国、欧州連合(EU)などには追加関税が大幅に上乗せされる。
これにより、新型コロナウイルスのパンデミックからの回復が鈍く、記録的な債務や地政学問題で揺らぐ世界経済は、活力が一段と弱まりそうだ。
今後トランプ氏と各国首脳の交渉がどのように進むか次第ではあるものの、これまで米国の強さと信頼性を前提に維持されてきた国際的な経済システムが転換点を迎えたという面でも、世界経済の地盤沈下をもたらすかもしれない。
ただ当面は、世界各地でさまざまな製品の値上げとそれに伴う需要の冷え込みという単純な構図が広がっていくだろう。
フランスのビジネススクール、INSEADでマクロ経済を研究し、国際通貨基金(IMF)と世界銀行でコンサルタントを務めたアントニオ・ファタス氏は「米国と世界経済はより低調に推移し、不確実性が増すとともに、場合によっては『世界的景気後退』と呼べるような局面に進んでいると思う。非効率性が高まるので誰にとっても悪い方向に世界が動いている」と述べた。
専門家らは早速、相互関税が世界経済に及ぼす打撃を数値化しようとしているが、簡単な作業とは言えない。トランプ氏の行動を踏まえると、これから相互関税を交渉カードとして各国との駆け引きが行われ、それがどのような結果になるか読めないからだ。
IMFのゲオルギエワ専務理事は今週のロイターのイベントで、今のところ世界的景気後退は視野に入っていないと発言した。
しかし相互関税をきっかけに広範な貿易戦争が発生すれば、世界的に需要が減退する中で新たな市場開拓を迫られる中国の生産者などにとって、痛手はずっと大きくなる。
また各種関税が、肝心の米国を景気後退に突入させてしまえば、米国への経済的依存度が高い途上国に重圧がかかる。
カリフォルニア大学バークレー校のバリー・アイケングリーン教授(政治経済学)は「米国で起きることは米国だけにとどまらない。米経済はあまりに大きくなり、貿易や資本移動を通じて関係が深くなっているので、他の世界に影響を及ぼさざるを得ない」と指摘した。
<逆転した世界>
各国中央銀行や政府の政策に与える影響も大きくなる可能性がある。
これまで何年にもわたって世界中の消費価格を抑える働きをしてきたサプライチェーン(供給網)が崩れれば、物価上昇率は主要中銀の間で共通の目標として了解されている2%から大きく上振れかねない。
世界全体の債務が過去最高の318兆ドルに達しているだけに、経済力が相対的に弱い国の政府の返済負担はさらに増す一方、防衛費から気候変動対策、社会福祉まで優先的に振り向ける予算の確保にも苦戦を強いられるだろう。
また米国では既に人手不足が進行している点を考慮すれば、関税政策がトランプ氏の期待通り、米国の製造業投資促進につながらない恐れもある。その場合同氏はどのように動くのだろうか。
一部では、トランプ氏が米国の貿易赤字解消に向け、国内輸出企業に有利となるような為替レート調整で各国に協力を強いるのではないかと予想されている。
TSロンバードのチーフエコノミスト、フレヤ・ビーミシュ氏は「持続的なドル高の対応でトランプ氏がよりリスクの高い手段を駆使するかどうか引き続き見守っていく」と述べた。
そうしたやり方は、世界の準備通貨としてのドルの特権的な地位を揺るがしてもおかしくない。
一方欧州中央銀行(ECB) のラガルド総裁は「逆転した世界」で欧州が競争力を確保していくためには今すぐ行動し、経済改革を加速させる必要があると訴えた。
ラガルド氏は冷戦後の時代や低インフレ局面、開かれた世界経済における貿易拡大といった事象に言及して「(従来は)誰もが多国間主義とルールに基づく国際秩序にコミットしてきた覇権国、つまり米国の恩恵に浴してきた。(しかし)今やわれわれは閉鎖、分断、不確実性と対峙していかなければならない」と強調した。
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