米経常赤字、第4四半期は3039億ドルに縮小 改善は一時的との見方

米商務省が20日に発表した第4・四半期の経常収支の赤字額は前期比63億ドル(2.0%)縮小し、3039億ドルになった。写真は2月、米カリフォルニア州オークランド港で撮影(2025年 ロイター/Carlos Barria)
[ワシントン 20日 ロイター] - 米商務省が20日に発表した第4・四半期の経常収支の赤字額は前期比63億ドル(2.0%)縮小し、3039億ドルになった。ロイターがまとめたエコノミスト予想は3255億ドルへの拡大だった。
ただ、関税を回避するために企業が前倒し輸入を行った影響で1月の財(モノ)輸入は過去最高に急増しており、赤字縮小は一時的なものとなる可能性がある。
第3・四半期の赤字は3103億ドルに修正された。前回発表は3109億ドルだった。過去最高であることは変わらなかった。
第4・四半期の経常収支赤字は国内総生産(GDP)比4.1%となり、第3・四半期の4.2%から低下した。住宅市場が崩壊し始めた2006年第3・四半期にはGDPの6.3%に達していた。
2024年の経常赤字は2282億ドル(25.2%)拡大し、過去最高の1兆1300億ドルに達した。対GDP比は3.9%で、22年以来の高水準となり、23年の3.3%から上昇した。
準備通貨としての地位を考えると、巨額の経常赤字は今のところドルにほとんど影響を及ぼしていない。しかしエコノミストらは、赤字の拡大と連邦政府の財政赤字の膨張がドルにとってリスクとなると警告している。
第4・四半期のモノの輸入は57億ドル増加の8453億ドル。非貨幣用金の輸入増加が資本財の急減を相殺した。サービス輸入は、個人旅行の増加により48億ドル増加し2110億ドルとなった。
モノの輸出は民間航空機、コンピューター付属品、周辺機器、部品、半導体の不振により、108億ドル減少の5192億ドルとなった。
医薬品、歯科製品、製薬製品などの消費材輸出も減少した。知的財産権の使用料や旅行料が上昇する中、サービス輸出は77億ドル増加して2871億ドルとなった。
モノの貿易赤字は3261億ドルに拡大し、22年第1・四半期以来の高水準となった。第3・四半期は3096億ドルだった。
第一次所得収支の収入は186億ドル増加して3663億ドルと、黒字に転じた。支出は24億ドル増加して3639億ドルとなった。
第二次所得の収入は7億ドル増加し512億ドル。支出は32億ドル減少し1074億ドルだった。