カナダ2月CPI予想外に上振れ、免税措置の終了が影響

カナダ統計局が18日発表した2月消費者物価指数(CPI)は前年比上昇率が2.6%と予想外に上振れ、過去7カ月で初めてカナダ銀行(中央銀行)の目標圏の中心である2%を上回った。写真は、トロントのスーパー。2022年11月、トロントで撮影(2025年 ロイター/Carlos Osorio)
Promit Mukherjee
[オタワ 18日 ロイター] - カナダ統計局が18日発表した2月消費者物価指数(CPI)は前年比上昇率が2.6%と予想外に上振れ、過去7カ月で初めてカナダ銀行(中央銀行)の目標圏の中心である2%を上回った。1月実績は1.9%。
日用品などを対象とする連邦物品サービス税(GST)と統一売上税(HST)の免除期間が2月半ばに終了し、物価押し上げにつながった。
前月比上昇率も1月の0.1%から1.1%に跳ね上がった。
ロイターがまとめた市場予想は前年比2.2%上昇、前月比0.6%上昇だった。
エコノミストによると、トランプ米政権による関税とこれに対抗するカナダ政府の報復措置を通じて物価はさらに上昇を続ける見通しで、カナダ銀行は難しい政策運営を迫られつつある。
カナダ銀行は先週、経済の先行き不透明感を理由に利下げを決定した。しかし市場では、2月CPIの発表前まで58%だった4月会合での利下げ見送りの予想確率が、発表後に62%へ切り上がった。
マックレム総裁は先週の利下げ決定後のロイターのインタビューで「関税問題」を決してインフレの問題に転化させないと語り、政策運営を慎重に進める必要があるとの見方を示している。
マクロ・ストラテジーのマネジングディレクター、ロイス・メンデス氏は、カナダ銀行はインフレが引き続き最優先課題だと強調し、利下げを休止するはずだと調査ノートに記した。
エコノミストの間では、GSTとHSTの免税が総合ベースのCPIをゆがめてきた面があるので、より正確な物価情勢を読み取れるのはコアCPIの方だとの指摘も出ている。
カナダ銀行が重視するコアCPIは、CPI中央値とCPIトリムの2つ。1月の前年比上昇率はいずれも2.7%だったが、2月はともに2.9%に加速した。