中国、家計支援で特別行動計画 所得増加と子育てに力点

3月16日、中国国務院(政府)は家計の所得増加と子育て支援を柱とした景気対策「特別行動計画」を発表した。写真は子ども服売り場を見る買い物客。北京で2月撮影(2025年 ロイター/Tingshu Wang)
[香港 16日 ロイター] - 中国国務院(政府)は16日、家計の所得増加と子育て支援を柱とした景気対策「特別行動計画」を発表した。李強首相が全国人民代表大会(全人代)の政府活動報告で外需低迷影響を緩和する方針を掲げたことを受けた措置。
中国の国内景気は新型コロナウイルス感染の影響や不動産市況の長引く低迷などにより、消費者心理が冷え込んでデフレ傾向に拍車がかかっている。このため、政府は新たな景気対策で歯止めを打つ構えだ。ただ、地方政府が具体策に落とし込んでいく際に支えとなる財源明示は限定的だった。
特別行動計画では、輸出と設備投資に依存した従来の経済運営が後景化。今回は家計支援に力点を置いた。同計画は各地域と各省庁に向け「消費を力強く促進し、内需をあらゆる面で拡大するとともに所得増加と負担軽減を通じて消費能力を引き上げる」と狙いを強調した。中でも、農村部の住宅整備の措置が挙げられたのが特徴だ。
さらに「子育て支援制度の研究・確立」を挙げた。柔軟な雇用形態の導入や総合病院での夜間小児科外来の開設に加え、地域や企業が運営する保育サービスも奨励した。
また、労働者の権利と休暇の保障を義務付け、有給休暇や短期間の休暇の取得が重視された。また、都市部と農村部の国民を対象とした基礎年金の財政補助基準も引き上げられる。このほか、ビザ免除対象国を増やすなど観光促進策も盛り込まれた。