世界貿易は29年まで緩やかな成長に=独DHL予想

3月12日、ドイツの国際輸送物流会社DHLグループのトビアス・マイヤー最高経営責任者(CEO、写真)は、ロイターに対し、世界がトランプ米大統領の関税政策に対応する中、世界貿易は力強さにかけるものの、成長するとの見通しを示した。2024年1月、ダボスで撮影(2025年 ロイター/Denis Balibouse)
Lisa Baertlein
[12日 ロイター] - ドイツの国際輸送物流会社DHLグループのトビアス・マイヤー最高経営責任者(CEO)は12日、ロイターに対し、世界がトランプ米大統領の関税政策に対応する中、世界貿易は力強さにかけるものの、成長するとの見通しを示した。
マイヤー氏は「この見通しは、主に世界貿易のうち米国と関係のない75%に基づく」とし、国際物流部門では前向きな勢いが見られると指摘した。
DHLとニューヨーク大学スターン・スクール・オブ・ビジネスが作成した「DHLトレード・アトラス2025」によると、2024年から29年にかけて世界の商品貿易は年平均3.1%のペースで拡大すると予想されている。ペースはそれ以前の10年と比べてやや加速している。
DHLトレード・アトラス2025は、インド、ベトナム、インドネシア、フィリピンが24─29年の貿易成長を主導すると予測。米政権が関税引き上げ策の全てを実施し、他国が報復措置を講じたとしても、世界貿易はなお今後5年間成長するが、そのペースはかなり緩やかになるとの見方を示している。
DHLと米同業のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)とフェデックスは、世界各国の幅広い事業分野にサービスを提供しているため景気動向を示す先行指標とみられている。