米関税適用除外を申し入れ、言質は取れず 議論継続=武藤経産相

3月10日(日本時間11日)、武藤容治経済産業相(写真)は、訪米中のワシントンで記者会見し、米国による関税措置は日本が対象になるべきではないと申し入れたことを明らかにした。2024年10月、東京で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Ritsuko Shimizu
[ワシントン 10日 ロイター] - 武藤容治経済産業相は10日(日本時間11日)、訪米中のワシントンで記者会見し、米国による関税措置は日本が対象になるべきではないと申し入れたことを明らかにした。ただ、米国からは、適用除外にするという言質はなかったという。両国は今後も緊密に協議を進めることで合意し、今後、事務レベルで早急に議論を行うことになった。
武藤経産相は9日から訪米し、ジェミソン・グリア通商代表、ハワード・ラトニック商務長官、ケビン・ハセット国家経済会議委員長、ハガディ上院議員と相次いで会談した。
米関税措置が日本の産業や日米両国のビジネス環境の整備や投資・雇用の拡大に与える影響について説明し、日本が対象になるべきではないという申し入れを行った。これに対し、米国側からは、製造業の復活、雇用の確保を重視しているという説明があったという。両国がそれぞれ主張したなかで、米関税措置について、武藤経産相は「明日から日本を関税の適用除外にするという話にはなっていない」と述べた。ただ「これまでの日本の対米投資や雇用創出の実績を含めた米経済に対する日本の貢献については一定の理解を得られた」とした。
日米両国は、今後さらに緊密に協議を進めていくことで合意し、事務方で早急に議論していくことになった。
米国からのLNG(液化天然ガス)の輸出増加については「日本のエネルギー安全保障に資するということで日米間で意見は一致した」という。アラスカLNG開発については「日米の協力について議論を行った」と述べるにとどめた。
日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収については「議論の詳細について言及を控える」としたうえで「具体的な内容・計画については民間の関係者において検討、調整が進められていくもの」とした。
トランプ米政権は12日、鉄鋼、アルミニウムにそれぞれ25%の関税を発動することを予定している。また、自動車については、4月2日に関税を発動するとしている。武藤経産相は訪米に先立ち、鉄鋼・アルミ、自動車の業界関係者と会談し、業界からの意見を聴取した。