ECB、利下げ継続・停止で予断は禁物=スロバキア中銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのカジミール・スロバキア中銀総裁(写真)は10日、ユーロ圏のインフレ率には依然、多くの上振れリスクがあり、ECBは利下げ継続か利下げ停止かについて引き続き予断を持つべきではないと述べた。2022年撮影。(2025年 ロイター/Jim Urquhart/File Photo)
[フランクフルト 10日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのカジミール・スロバキア中銀総裁は10日、ユーロ圏のインフレ率には依然、多くの上振れリスクがあり、ECBは利下げ継続か利下げ停止かについて引き続き予断を持つべきではないと述べた。
ECBは6日、主要政策金利を0.25%ポイント引き下げたが、米国との貿易戦争の脅威や欧州諸国の防衛費増額計画などに起因する不確実性の高まりを警告。4月の次回会合で利下げを一時停止する可能性が示唆された。
カジミール氏はブログで「インフレリスクは依然として上向きだ。歴史を振り返れば、関税は成長鈍化とインフレ加速につながる。これはまさにECBが回避しようとしていることだ」と指摘。
その上で、こうした複雑な状況ではECBに柔軟性が必要であり、データという確たる証拠なしに決定を確約してはならないと主張した。
「この柔軟性とは、追加利下げを決めるにせよ、利下げ停止を決めるにせよ、予断を持たずにあらゆる選択肢をオープンにしておくことを意味する」と述べた。
「私はディスインフレが続くことを確実に確認できる証拠を依然として求めている」とし「今は自動的な決定や急ぎ足の時ではない」と述べた。
市場は4月の利下げ停止の可能性が高まったとみているが、6月の利下げは完全に織り込んでいる。