独緑の党、メルツ氏の債務拡大計画への支持拒否も 与党は楽観

ドイツの環境政党「緑の党」は、次期首相候補のメルツ氏(写真)が進めるインフラ基金創設と借り入れ規制見直しへの支持を拒否する可能性がある。8日撮影。(2025年 ロイター/Annegret Hilse/File Photo)
Holger Hansen Andreas Rinke
[ベルリン 10日 ロイター] - ドイツの環境政党「緑の党」は、次期首相候補のメルツ氏が進めるインフラ基金創設と借り入れ規制見直しへの支持を拒否する可能性がある。
緑の党の関係者は10日、メルツ氏の計画が承認される可能性は日ごとに低下していると警告した。
緑の党が5000億ユーロ(5400億ドル)の特別インフラ基金創設と政府借り入れ規制見直しへの支持を拒否すれば、ドイツ経済の成長回復が期待される債務拡大計画が頓挫することになる。
3月25日に始まる新議会では、極右や急進左派の議員が増え、債務拡大計画が承認されない可能性が高まるため、メルツ氏は現在の議会での承認を目指しており、そのためには緑の党の支持が必要となる。
緑の党は、メルツ氏の計画により多くの気候変動対策を盛り込むよう望んでおり、5000億ユーロのインフラ基金から各州に配分される資金の割合を予定している1000億ユーロから2000億ユーロに増やすことを要求している。
メルツ氏は9日、気候変動に関する譲歩を示唆した。
ただ、先月の総選挙で第1党になったメルツ党首率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)関係者と同陣営と連立を組む可能性の高い社会民主党(SPD)の関係者は、緑の党の姿勢を譲歩を引き出すための交渉戦術にすぎないとみている。
また、ある交渉担当者はロイターに対し、最終的には緑の党は政治的責任感からメルツ氏の計画に同意するとの見方を示した。