中国投資家、マスク氏経営の米新興企業に数千万ドル投資=FT

中国の富裕な投資家らが、トランプ米大統領の側近の実業家イーロン・マスク氏(写真)が経営に携わっている米新興企業に計数千万ドル投資したと、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。2月26日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Brian Snyder)
[9日 ロイター] - 中国の富裕な投資家らが、トランプ米大統領の側近の実業家イーロン・マスク氏が経営に携わっている米新興企業に計数千万ドル投資したと、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。FTは取引に関与した資産運用会社の関係者や投資家らの話として、米中関係が緊張する中で、米当局や中国資本を警戒する企業の反発を避けるために特定目的会社(SPC)を通じてこの投資は行われたと伝えた。
中国資本の資産運用会社の関係者3人は、いずれもマスク氏が関与する米宇宙関連企業スペースX、人工知能(AI)新興企業「xAI」、脳インプラント企業ニューラリンクの3社の株式3000万ドル超を過去2年間に投資家へ売却したと証言した。関係者はこれらが利益志向の投資だとし、技術移転や公共政策に影響を及ぼそうとする狙いはほとんどないと主張した。
スペースX、xAI、ニューラリンクはいずれもコメントの要請にすぐには応じなかった。
マスク氏は習近平国家主席を含めた中国高官との長期にわたる交流がある。一方、中国はマスク氏が経営する幾つかの新興企業について安全保障上のリスクがあるとみなしており、スペースXやX(旧ツイッター)を禁止している。
マスク氏が最高経営責任者(CEO)を務める電気自動車(EV)メーカーのテスラはセダン「モデル3」とスポーツタイプ多目的車(SUV)「モデルY」を中国で製造。輸出先の1つとなっている欧州での1月の販売台数は前年同月比45%減と苦戦している。