日経平均は小反発、米大統領演説など無難通過で安心感 上昇一服後は小動き

3月5日 東京株式市場で日経平均は、前営業日比87円06銭高の3万7418円24銭と、小幅に反発して取引を終えた。写真は2020年10月、東京証券取引所で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Hiroko Hamada
[東京 5日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比87円06銭高の3万7418円24銭と、小幅に反発して取引を終えた。トランプ米大統領の施政方針演説や日銀の内田真一副総裁の会見など、複数の重要イベントを無難に通過した安心感で、買いが優勢となった。ただ、積極的に上値を追う動きにはならず、上昇一服後は小動きが継続した。
日経平均は前営業日比14円高と小幅高でスタートした後、トランプ氏の演説を控えて様子見姿勢が強まり、一進一退の展開が続いた。演説内容は特段、ネガティブサプライズはなかったとの受け止めが聞かれ、無難に通過した安心感で日経平均は後場に上げ幅を拡大。後場前半には一時275円高の3万7606円34銭まで上昇した。トランプ氏が演説内で、米国で製造された自動車に限り自動車ローンの利子支払いを税控除の対象にしたいなどと言及し、自動車株に買い戻しが入った。
ただ、買いが一巡した後は3万7400円台を軸にもみ合いが続いた。為替相場ではドル/円の円安が一服し、日本株の上値を抑えたとの見方もあった。物色動向としては、防衛関連株が買われたほか、電線株も堅調だった。
日銀の内田副総裁は5日、静岡県金融経済懇談会後の記者会見で、今後の利上げペースは「先行きの経済・物価・金融情勢次第」と述べた。
市場では「トランプ氏の演説や日銀副総裁の発言、それぞれのイベントを無難にこなし、やや安心感が広がった。特に内田副総裁の発言はタカ派化への警戒が強まり、市場が身構えていた面もあった」(T&Dアセットマネジメントのチーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャー・浪岡宏氏)との声が聞かれた。
一方、今後の日本株の動向について浪岡氏は「タイミング的に3月はリバランスの売りが出やすいものの、4月に入れば新規の資金流入も見込まれ、大幅に崩れる展開にはならないのではないか」と話した。
TOPIXは0.3%高の2718.21ポイントで取引を終了。プライム市場指数は0.3%高の1399.01ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は4兆8623億0500万円だった。東証33業種では、非鉄金属、輸送用機器、繊維製品など26業種が値下がり。保険、空運、サービスなど7業種が値下がりした。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.15%安の639ポイントと続落した。
個別では、主力のトヨタ自動車が3%超高で堅調。ホンダが2%超高、三菱自動車が1%超高だった。防衛関連ではIHIが6%高、川崎重工業が4%超高だった。業績予想の引き上げが好感され、内田洋行が11%超高となった。
一方、トライアルホールディングスが10%超高と大幅上昇。同社が5日、西友を3800億円で買収すると発表し、手掛かりとなった。米ファンドのKKRと米ウォルマートから、7月1日付で全株式を取得する予定。
プライム市場の騰落数は、値上がり1090銘柄(66%)に対し、値下がりが489銘柄(29%)、変わらずが59銘柄(3%)だった。
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