中国、半導体設計で「RISC─V」の利用推奨へ=関係筋

中国当局は半導体の設計で、オープンソースの「RISC─V(リスクファイブ)」アーキテクチャーの全国的な利用を初めて推奨する。西側技術への依存度低減を目指す狙いがある。2023年7月撮影(2025年 ロイター/Florence Lo/Illustration)
Che Pan Brenda Goh
[北京/上海 4日 ロイター] - 中国当局は半導体の設計で、オープンソースの「RISC─V(リスクファイブ)」アーキテクチャーの全国的な利用を初めて推奨する。関係筋が明らかにした。西側技術への依存度低減を目指す狙いがある。
当局は今月中にもRISC─Vの使用促進に関する政策ガイダンスを発表する可能性があるという。
関係筋は国家インターネット情報弁公室、工業情報化省、科学技術情報通信省、国家知識産権局など8つの政府機関が共同でガイダンスをまとめていると明らかにした。
RISC─Vは半導体を設計するための技術で、スマートフォンや人工知能(AI)サーバーのCPU(中央演算処理装置)など、比較的高度ではない半導体の設計に用いられている。
RISC─Vは世界的に普及している英アームの「Arm」やインテルの「x86」といった独自仕様のアーキテクチャーと競合している。
中国では近年、国有企業や研究機関の間で、地政学的リスクの影響を受けにくいRISC─Vの活用が広がっているが、政府は公式な政策として言及していない。
一方、米国では中国でのRISC─Vの利用拡大への警戒感が高まっている。
先週中国で開催されたRISC─Vに関するイベントで、業界幹部らは、中国の新興AI企業ディープシークが開発したAIモデルはそれほど高性能ではない半導体でも効率的に動作するため、同社のAIモデルの人気がRISC─Vの採用を促進する可能性もあるとの見方を示した。