米国債の中央清算促す新規則、SECが完全実施を1年延期
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米証券取引委員会(SEC)は25日、米国債取引の中央清算を促進してシステミックリスクの抑制を目指す新規則の完全実施時期を1年延期することを決めたと発表した。写真はマーク・ウエダ委員長代行。2023年5月に撮影(2025年 ロイター/Mike Blake)
[ニューヨーク 25日 ロイター] - 米証券取引委員会(SEC)は25日、米国債取引の中央清算を促進してシステミックリスクの抑制を目指す新規則の完全実施時期を1年延期することを決めたと発表した。
従来の予定では今年12月までに米国債の現物取引、2026年6月30日までに米国債のレポ取引についてそれぞれ中央清算が義務づけられていた。
しかし先月、複数の業界団体がSECに対して、少なくとも1年間実施を先送りしてほしいとの要望を出した。
SECのマーク・ウエダ委員長代行は「米国債市場は世界の金融システムの重要なピースで、新規則は適切に実施されなければならないし、業務遂行上の問題は何であれ解決されるべきだ。1年間の延長により、業務遂行面での修正措置を実行し、適正化する追加的な時間が提供される」と説明した。
現在SEC執行部を構成するウエダ氏とピアース、クレンショー両委員がいずれも1年間の延長案を支持した。トランプ大統領が次期SEC委員長に指名したポール・アトキンス氏はまだ議会の承認を得られていない。
米証券業金融市場協会(SIFMA)は、市場の混乱を避ける上で新規則実施の延期は大事だと指摘。声明で「市場参加者は当初予定の実施時期はあまりに前のめりで、米国と世界にとって最も重要な資産市場に不要なリスクを増やすとの懸念を強めていた」と述べた。