日経平均は小反発、為替動向に左右 連休控え次第にもみ合い
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2月21日、東京株式市場で日経平均は、前営業日比98円90銭高の3万8776円94銭と、小幅に反発して取引を終えた。写真は都内で2020年10月撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Hiroko Hamada
[東京 21日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比98円90銭高の3万8776円94銭と、小幅に反発して取引を終えた。ドル/円の円高基調を嫌気し日経平均は一時200円超値下がりしたが、円高が一服すると買い優勢の展開となるなど、為替動向に左右された。国内の3連休を控えて手掛けにくさも意識され、後場後半にかけてはもみ合う展開が続いた。
日経平均は前営業日比154円安でスタートした後、下げ幅を拡大し前場中盤に221円安の3万8456円53銭で安値を付けた。円高を嫌気して売りが優勢となったが、日銀の植田和男総裁が衆院予算委員会で、長期金利が急激に上昇すれば「機動的に国債買い入れ増額等を実施する」と発言すると、ドル/円相場が円安方向に振れ、日本株にも買い戻しが入った。
市場では「為替が神経質な動きとなっており、日本株はドル/円に左右されやすい状況が続きそうだ」(国内証券・ストラテジスト)との声が聞かれた。植田総裁の発言については、日銀のタカ派化懸念が強まっていただけに警戒感がやや和らいだという。
後場に入ると連休を控えて積極的な取引は手控えられ、大引けにかけては3万8700円台を軸に一進一退となった。一方、個別材料を手掛かりにした物色は活発だった。
いちよし証券の投資情報部・銘柄情報課課長、及川敬司氏は「日銀の利上げ観測による為替の円高リスクで上値は重く、日経平均の方向感は出にくくなっている」と指摘する。米国の関税政策の不透明感も重しとなり外需株は手掛けにくいが、「企業業績は底堅いので日経平均がレンジを下抜ける可能性は低く、横ばい圏が続きそうだ」(及川氏)とみている。
TOPIXは0.07%高の2736.53ポイントで取引を終了。プライム市場指数は0.07%高の1408.53ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は4兆3160億0500万円だった。東証33業種では、医薬品、ゴム製品、保険など19業種が値上がり。非鉄金属、海運、精密機器など14業種は値下がり。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.46%安の680.22ポイントと、3日続落した。
きょうグロース市場に新規上場したブッキングリゾートは公開価格を25%上回る1550円で初値を付け、ストップ高の1950円で取引を終えた。
個別では、日産自動車が後場急騰し9%超高。日本の元首相を含むグループが米テスラによる同社への出資計画を策定したと、英紙フィナンシャル・タイムズが報じ、手掛かりとなった。前日に旧上ファンド系の投資会社による大量保有が明らかになった京浜急行電鉄は朝高後マイナス転換し6%安だった。
良品計画が5%超高で堅調、中外製薬は4%超高だった。指数寄与度の大きいファーストリテイリングは1%超安、ソフトバンクグループは小幅安だった。
プライム市場の騰落数は、値上がり556銘柄(33%)に対し、値下がりが1031銘柄(62%)、変わらずが53銘柄(3%)だった。
終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 38776.94 +98.90 38523.07 38,456.53─
38,808.81
TOPIX 2736.53 +1.93 2725.29 2,720.94─2
,740.69
プライム市場指数 1408.53 +0.97 1402.50 1,400.59─1
,410.44
スタンダード市場指数 1292.29 -2.55 1292.23 1,288.94─1
,294.99
グロース市場指数 871.38 -3.41 872.35 868.60─877
.87
グロース250指数 680.22 -3.15 681.17 677.70─685
.78
東証出来高(万株) 194682 東証売買代金(億円 43160.05
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