午後3時のドルは150円前半、2カ月半ぶり安値更新後に急反発
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2月21日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安の150円前半で取引されている。写真は1ドル紙幣。2021年11月撮影(2025年 ロイター/Murad Sezer)
Shinji Kitamura
[東京 21日 ロイター] -
午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル高/円安の150円前半で取引されている。朝方に2カ月半ぶり安値を更新したが、当面の下値めどに到達したとの見方から短期筋の買い戻しが優勢となり、切り返しが勢いづいた。
前日海外で上値の重い展開が続いたドルは、1月全国消費者物価指数(CPI)が発表された午前8時半頃に一時149.28円まで下落し、昨年12月3日以来、約2カ月半ぶり安値を更新した。
しかし、その後は一転して買い戻しが活発化。昼前にかけてドルはじり高展開が続き、150円後半まで1円を超える切り返しとなった。
ドルの反発過程では、さまざまな点が材料視された。事前予想をわずかに上回ったCPIは、日銀の「利上げ見通しを前倒しするほどの強さはない」(国内証券アナリスト)との見方となり、衆院予算委員会に出席した植田和男日銀総裁が、長期金利が急激に上昇する「例外的な状況」では機動的に国債買い入れの増額などを実施すると述べたことも話題となった。
もっとも、ドル反発を主導したのは「節目の150円割れを狙って売り込んでいた短期筋が中心だった」(FX会社関係者)もよう。日本の連休を控えて「イベント消化後に、円の売り戻しがあっても不思議ではない」(三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課課長の酒井基成氏)との声も聞かれた。
来週ドイツで行われる総選挙を前に、相場急変に備えて持ち高を圧縮する動きが加わったとの指摘も聞かれた。世論調査では、いずれの政党も単独過半数を獲得することはできない見通しだが、バンス米副大統領が事前に極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の支持を公言するなど、異例の事態となっている。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 150.36/150.37 1.0492/1.0494 157.77/157.78
午前9時現在 149.48/149.49 1.0499/1.0502 156.97/156.98
NY午後5時 149.61/149.64 1.0500/1.0503 157.14/157.16