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NY市場サマリー(18日)S&P最高値更新、ドル上昇、利回り上昇

2025年02月19日(水)08時25分

<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して上昇した。関税措置やウクライナ和平交渉を巡る懸念から、安全資産としてのドルの需要が高まった。

主要通貨に対するドル指数<=USD>は0.3%高の107.08。14日に付けた2カ月ぶり安値の106.56からそれほど遠くない水準で推移した。

米国とロシアが18日、サウジアラビアの首都リヤドで開いたウクライナの停戦などを協議する高官会合が注目された。

マネックスUSA(ワシントン)のトレーディング・ディレクター、フアン・ペレス氏は、不確実性や戦争終結に向けた取り組みの中で、ドルは安全性の高い通貨であり続けるとの見方を示した。

ドルは対円で0.3%高の151.95円。ドルは2月のNAHB/ウエルズ・ファーゴ住宅建設業者指数が2024年9月以来の低水準となったことを受け、上げ幅を縮小する場面もあった。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 米金融・債券市場では、国債利回りが上昇した。米経済の力強さを示す新たな経済指標の発表を受け、連邦準備理事会(FRB)は利下げを進めるにあたり難しい舵取りを迫られるとの見方が出ている。

ニューヨーク連銀が朝方発表した2月のニューヨーク州製造業業況指数はプラス5.7と、前月のマイナス12.6から大きく上昇し、予想はマイナス1.0も上回った。指数はゼロを上回ると拡大を示す。

DRWトレーディング(シカゴ)の市場ストラテジスト、ルー・ブライエン氏はニューヨーク州製造業業況指数について、FRBが1月の会合で金利据え置きを決定した時点と比べても、米経済が一段と良好な状態にあるとの見方が裏付けられたとの見方を示した。

17日の米金融市場はプレジデンツデーの祝日のため休場。ブライエン氏は「今週のように祝日がある週は取引量が少なくなる傾向があり、それほど重要でない経済指標にも相場が反応することがある」と指摘。主だったイベントが見当たらない中、今週はFRBが19日に公表する1月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨に相場が反応する可能性があるとの見方を示した。

終盤の取引で10年債利回りは6.7ベーシスポイント(bp)上昇の4.543%。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 米国株式市場は上昇して取引を終了。S&P総合500種<.SPX>は終値で最高値を更新した。決算シーズンが終盤に入り、連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨公表を控える中、地政学的な不透明感も漂っており、主要3指数はほぼ終始、マイナス圏とプラス圏を行き来する展開だった。

カーソン・グループのチーフ市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は「きょうは3連休だった影響があるようだ」とし、材料に乏しいが、高値圏で値固めとなったのはよい変化だと指摘。

「あすにはFOMC議事要旨が公表されるほか、週内には主要小売企業の決算も控えている。しかし、全体的に見ると、きょうのような日はまさに様子見ということになる」と語った。

米連邦準備理事会(FRB)は19日に1月のFOMCの議事要旨を公表する。政策当局者は1月、インフレ上昇の兆しや、トランプ大統領の関税政策などを巡る不透明感から政策金利を据え置いた。

この日は半導体大手インテルが16.1%急伸。半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)<2330.TW>と米半導体大手ブロードコムがそれぞれ、インテルの事業買収に関心を示していると報じられた。実現すればインテルの会社分割につながる可能性がある。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、地政学リスクを巡り不透明感がくすぶる中、安全資産としての金買いが先行し、反発した。

ウクライナの停戦について話し合うため、米ロ高官は18日、サウジアラビアの首都リヤドで協議を行った。一方、当事国であるウクライナは今回の協議に招待されず猛反発。 停戦実現の可能性が依然として不透明な中、安全資産とされる金の需要が高まり、相場は午前、ほぼ一本調子で値を伸ばした。また、各国・地域の中央銀行による金購入も追い風 になった。

一方、トランプ大統領は前週、関税や非関税障壁の高い国・地域からの輸入品に相応の高い関税を課す「相互関税」の検討を関係省庁に指示した。ただ国・地域ごとに貿易環境を検証し、関税を設定する計画で、発動まで「数週間から数カ月」かかる可能性があるとの見方もある。関税発動によりインフレが再燃するとの懸念が根強く、リスク回避としての金に資金が流入する面もあった。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米ロ主導のウクライナ停戦交渉を巡る動きが注視される中、供給懸念から買われ、4営業日ぶりに反発した。

ロイターによると、ロシア南部クラスノダール地域にあるクロポトキンスカヤ送油管を運営するカスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)は17日、ポンプ設備が無人機攻撃を受けたことを明らかにした。攻撃に伴う一時的な稼働停止で、米石油大手シ ェブロンやエクソンモービルなど西側諸国の石油大手が利用する同送油管経由のカザフスタン原油供給が減少しているという。ロシア国営パイプライン運営会社トランスネフチは、復旧に2カ月を必要とし、カザフスタンの送油量が最大30%減少する可能性があると指摘。こうした中、供給混乱への警戒感から原油買いが先行し、相場は早朝、一時72ドル 台に上昇。高値圏では利食い売りが出たものの限定的で、終日堅調を維持した。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 152.05/152.

07

始値 151.78

高値 152.12

安値 151.54

ユーロ/ドル NY終値 1.0445/1.04

48

始値 1.0462

高値 1.0469

安値 1.0436

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 97*24.5 4.7657

0 %

前営業日終値 98*27.5 4.6960

0 %

10年債(指標銘柄) 17時05分 100*18. 4.5523

50 %

前営業日終値 101*06. 4.4760

00 %

5年債(指標銘柄) 17時05分 99*10.5 4.4021

0 %

前営業日終値 99*21.0 4.3270

0 %

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*21.2 4.3055

5 %

前営業日終値 99*24.0 4.2590

0 %

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 44556.34 +10.26 +0.02

前営業日終値 44546.08

ナスダック総合 20041.26 +14.49 +0.07

前営業日終値 20026.77

S&P総合500種 6129.58 +14.95 +0.24

前営業日終値 6114.63

COMEX金 4月限 2949.0 +48.3

前営業日終値 2900.7

COMEX銀 3月限 3337.3 +51.8

前営業日終値 3285.5

北海ブレント 4月限 75.84 +0.62

前営業日終値 75.22

米WTI先物 3月限 71.85 +1.11

前営業日終値 70.74

CRB商品指数 315.5338 +3.4561

前営業日終値 312.0777

ロイター
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