ヘッジファンドはドル高継続を想定、ユーロ等価割れの予想も
1月21日、第2次トランプ米政権が発足した足元でのヘッジファンドの動向が、投資銀行の調査ノートや業界データなどから明らかになってきた。ニューヨーク証券取引所で2022年2月撮影(2025年 ロイター/Caitlin Ochs)
Nell Mackenzie Carolina Mandl
[ロンドン 21日 ロイター] - 第2次トランプ米政権が発足した足元でのヘッジファンドの動向が、投資銀行の調査ノートや業界データなどから明らかになってきた。注目されるのはドル高の継続が想定されている点だ。
JPモルガンの13日付ノートによると、システマティック・トレンドフォロワーを含めたマクロ経済シグナルで取引するヘッジファンドは、ドル堅調に賭けるポジションを維持している。
バークレイズはノートに、先物やデリバティブを駆使するCTAも、特に対ユーロでのドル買い持ちが「目一杯膨らんでいる」と記した。
RBCブルーベイ・アセット・マネジメントのシニア・ポートフォリオマネジャー、ラッセル・マシューズ氏は「今後の市場に目を向けると、外国為替市場でわれわれは『トランプ・トレード』の強力な推進者で、G10通貨の中ではとりわけポンドとユーロに対してしっかりとドルを買い持ちにしている」と述べた。
ラッセル氏によると、英労働党政権の諸政策に対する根深い批判が続いていることを踏まえ、同社はポンドを対ドルで「かなり積極的に」売り持ちにしている。
RBCブルーベイは、ドル高が続いてユーロ/ドルは等価か1ドル割れになると予想。マシュー氏は「欧州に対する(トランプ政権からの)懲罰的手段が講じられると承知している。それがいつかは分からないが、(間違いなく)やってこようとしている」と語った。
一方モルガン・スタンレーのプライムブローカレッジ部門のノートをロイターが確認したところ、米国株に投資するヘッジファンドのグロス・レバレッジは2010年以来の高水準に達したもようだ。
グロス・レバレッジは、ヘッジファンドがどれだけポジションを拡大したかを反映する。