FDA、アストラゼネカと第一三共の乳がん治療薬を承認

1月17日、米食品医薬品局(FDA)は、英製薬大手アストラゼネカと第一三共が共同開発した乳がん治療薬「ダトロウェイ」を前治療歴のある進行性乳がんの患者を対象に承認した。英マックルズフィールドで2021年5月撮影(2025年 ロイター/Phil Noble)
Sriparna Roy
[17日 ロイター] - 米食品医薬品局(FDA)は17日、英製薬大手アストラゼネカと第一三共が共同開発した乳がん治療薬「ダトロウェイ」を前治療歴のある進行性乳がんの患者を対象に承認した。
ダトロウェイの定価は1バイアル当たり4891.07ドル。米国では約2週間後に処方箋によって入手可能になる。
同薬はがん細胞に作用する抗体に抗がん剤を結合させた抗体薬物複合体(ADC)と呼ばれる医薬品の一種で、従来の化学療法とは異なり、健康な細胞を温存しながらがん細胞のみを標的とする。
ダトロウェイは、両社が最初に共同開発し、FDAが2019年に乳がんの一種を対象に承認したADC「エンハーツ」に続いて承認された2番目のADCとなる。エンハーツはその後、複数の疾患へ使用が拡大された。
ダトロウェイは昨年12月、日本で化学療法歴のある特定のタイプの乳がん患者への使用が認められた。
同薬は後期臨床試験で、外科的にがんを切除できなかったり、がんが転移したりしている被験者において、化学療法などのほかの治療を受けた患者と比較して、疾患の進行を遅らせる効果が示された。
アストラゼネカと第一三共は2020年7月、ダトロウェイを共同開発・商業化する最大60億ドルのグローバルな提携契約を締結した。