日産株がストップ高買い気配、ホンダと統合協議との報道を材料視
12月18日の東京株式市場で、日産自動車株がストップ高水準で買い気配となっている。ホンダと経営統合に向けた協議に入るとの報道があり、材料視されている。写真は同社のロゴ。2020年11月11日に都内で撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)
Noriyuki Hirata
[東京 18日 ロイター] - 日産自動車株がストップ高水準で買い気配となっている。ホンダと経営統合に向けた協議に入るとの報道があり、材料視されている。
日産とホンダの統合に向けた協議入りは、日本経済新聞が18日付朝刊で報じた。持ち株会社を設立して傘下に両社がぶら下がるかたちで調整し、将来的に三菱自動車工業が合流することも視野に入れると伝えた。
電気自動車(EV)では米テスラや中国勢に勢いがある上、米国ではハイブリッド車が好調だとして、市場では「日産はハイブリッドのラインアップが不足している。ホンダからの補完が期待できるならポジティブだろう。一方、ホンダも電池の面での負担が軽くなるメリットがあるかもしれない」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンド・マネージャー)との見方が聞かれる。
同報道では、ホンダと日産は近く覚書を結び、持ち株会社の統合比率など詳細を今後詰めるとしている。日産は三菱自の筆頭株主で、3社が統合すれば販売台数は800万台を超え、世界でも有数の自動車メーカーが誕生するという。
ホンダ株は朝方に1%超高に上昇する場面もあったが、その後マイナスに転じ一時3%超安の1240円に下落した。市場では「日産の救済の色合いが濃い印象があり、ホンダにとって重荷になるリスクが意識されているのではないか」(国内運用会社のファンドマネージャー)との見方が聞かれる。
日産とホンダは今年3月、EV(電気自動車)を中心とした電動化・知能化分野での業務提携の検討を始めると発表。その後、ソフトウエアで機能や性能を更新できる車両「SDV」向けプラットフォームの共同研究、電池、EV駆動装置「イーアクスル」の共通化、車両の相互補完、国内充電サービスなどで協業する方針を示していた。
日産自動車は北米と中国での販売低迷で業績が急速に悪化し、11月には生産能力と人員を削減する緊急再編策を打ち出していた。
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