ニュース速報
ビジネス

欧州委、ユーロ圏経済の成長加速を予測 米国の保護主義には警鐘

2024年11月16日(土)03時12分

欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は15日、ユーロ圏20カ国の経済成長率が2025年に1.3%、26年に1.6%となり、24年の0.8%から加速するとの見通しを公表した。(2024年 ロイター/Yves Herman)

Jan Strupczewski

[ブリュッセル 15日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は15日、ユーロ圏20カ国の経済成長率が2025年に1.3%、26年に1.6%となり、24年の0.8%から加速するとの見通しを公表した。

インフレは鈍化すると予測したものの、トランプ政権下での米国の保護主義的な貿易政策が「極めて有害」となる可能性があると警鐘を鳴らした。

来年1月20日に就任するトランプ次期米大統領は、米国に輸入される全ての品目に10%以上の関税を課す案を示している。

欧州委のジェンティローニ委員は記者会見で「EUと米国の経済統合レベルは、貿易関係が経済と政治を安定させる力となるくらいまで達している」とした上で「米国の貿易政策が保護主義に転じれば、双方の経済にとって極めて有害となる」と強調した。

ジェンティローニ氏は、影響が大きい国として対米輸出の多いドイツとイタリアを挙げ、関税の引き上げによって製造業者が直面する問題をさらに悪化させかねないと訴えた。

関税引き上げがインフレを刺激することで、米国経済にも悪影響を及ぼす可能性があるとも述べた。

欧州委は24年に2年連続でマイナス成長となると見込まれるドイツは、25年に0.7%、26年には1.3%のプラス成長を予測。フランスは25年に0.8%、26年には1.4%成長するとした。

欧州中央銀行(ECB)が中期的に2%を目指すインフレ率は、24年の2.4%から25年に2.1%、26年に1.9%へと減速していくと見込んだ。

ユーロ圏全体の財政赤字は、25年に域内総生産(GDP)の2.9%、26年に2.8%へと徐々に低下していくと予測した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

独ロ首脳が電話会談、西側の孤立政策に終止符 ウクラ

ビジネス

FRB、年内あと0.25%・来年1%利下げの公算=

ワールド

韓国大統領、中国主席と会談 ロ朝の軍事協力への対応

ワールド

トランプ氏、クドロー元NEC委員長の起用検討 経済
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:またトラ
特集:またトラ
2024年11月19日号(11/12発売)

なぜドナルド・トランプは圧勝で再選したのか。世界と経済と戦争をどう変えるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラッドレー歩兵戦闘車が「戦略的価値を証明」する戦闘シーン
  • 4
    中国富裕層の日本移住が増える訳......日本の医療制…
  • 5
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 6
    投資家は「東京メトロ」をどう見るべきか...「今さら…
  • 7
    新たな大谷翔平伝説が始まる...「ますますリスペクト…
  • 8
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 9
    「ワキ汗」は健康の問題、ひとりで悩まないで──ジェ…
  • 10
    世界の若者を苦しめる「完璧主義後遺症」...オードリ…
  • 1
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 2
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 3
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラッドレー歩兵戦闘車が「戦略的価値を証明」する戦闘シーン
  • 4
    ウクライナ軍ドローン、1000キロ離れたロシア拠点に…
  • 5
    本当に「怠慢」のせい? ヤンキース・コールがベース…
  • 6
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 7
    NewJeansのミン・ヒジン激怒 「似ている」グループは企…
  • 8
    「歌声が聞こえない」...ライブを台無しにする絶叫フ…
  • 9
    海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「空母化」、米…
  • 10
    「遮熱・断熱効果が10年持続」 窓ガラス用「次世代…
  • 1
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 2
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 3
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 4
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 5
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 6
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 7
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 8
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    予算オーバー、目的地に届かず中断...イギリス高速鉄…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中