サムスン電子、72億ドル相当の自社株買い計画
韓国サムスン電子は15日、株主価値を高めるために今後1年間で10兆ウォン(約71億7000万ドル)相当の自社株買いを行うと発表した。韓国エレクトロニクスショーで10月撮影。(2024年 ロイター/Kim Hong-Ji)
[ソウル 15日 ロイター] - 韓国サムスン電子は15日、株主価値を高めるために今後1年間で10兆ウォン(約71億7000万ドル)相当の自社株買いを行うと発表した。
サムスン電子の株価は今週、4年強ぶりの安値を付けた。同社が自社株買いを決定するのは2017年以来。
発表文によると、普通株5014万株と優先株691万株の合計3兆ウォン相当を3カ月以内に買い入れ消却する。取締役会は残りの7兆ウォンの自社株買いの実施方法を含め、株主価値を高める方法を今後決定するとした。
今回の決定は短期的にはサムスン電子の株価を押し上げる公算が大きいが、長期的に株価を支えるには具体的な事業計画が必要とアナリストは指摘している。
リーダーズ・インデックスのパク・ジュグン代表は、「サムスン電子が株価の急落に危機感を感じていることの反映だ」と述べた。また一部の株主を支援する目的の可能性もあるとの見方を示した。
同氏によると、李在鎔サムスン電子会長の家族は、相続税を支払うために保有株の一部を担保として差し出している。しかし最近の株価急落で銀行から追加担保の差し入れを求められる可能性があるという。
サムスン電子の株価は15日に7.2%上昇し、1日の上げ幅としては20年3月以来の大きさとなった。ただ年初来では依然として32%下落している。