ニュース速報
ビジネス

アジアで未上場株式取引の増加期待、米利下げと中国景気刺激策で

2024年09月28日(土)03時30分

米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げと中国の景気刺激策を受け、アジアにおける未上場企業の株式に投資するプライベートエクイティ(PE)の取引がさらに増加するとの期待が高まっている。(2024年 ロイター/Florence Lo)

Yantoultra Ngui Kane Wu

[シンガポール 27日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げと中国の景気刺激策を受け、アジアにおける未上場企業の株式に投資するプライベートエクイティ(PE)の取引がさらに増加するとの期待が高まっている。

業界関係者は、資金調達コストの低下と市場心理の改善で、投資先企業の売却といった出口戦略を描きやすくなると指摘している。

FRBは先週、4年以上ぶりに金利を引き下げた。今後も、さらなる緩和が見込まれている。過去2年間の高金利はPE企業の資金調達コストを圧迫し、借入金を元にした買収の実現を困難にしてきた。

一方、中国は今週、経済回復に向けて予想以上に踏み込んだ金融緩和と不動産市場のてこ入れ策を発表し、さらに近く財政措置も実施される見込みとなっている。

不安定な市場状況により、PEが投資先企業に対して通常行う新規株式公開(IPO)や売却といった戦略を取ることが困難となってきた。

アジアを中心とするPEの関係者は、米利下げや中国経済への期待を背景に、アジア市場で株式相場が上昇することによって企業が上場しやすくなり、多くの投資先企業に対する「評価を適正なレベルに戻すことにつながる」と述べた。

LSEGのデータによると、日本を含むアジア太平洋地域でPEが支援した企業の合併・買収(M&A)は2024年第1・四半期から第3・四半期にかけて前年同期比14%増の1050億ドルに増加した。これは主に、米大手投資会社ブラックストーンが率いる企業連合がデータセンター事業を手がけるオーストラリアのエアトランクを160億ドルで買収したことによる要因が大きい。

一方、新規取引件数は43%減で推移している。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、グーグル起訴へ 当選なら 「悪意あるニ

ビジネス

FRB、「段階的」な利下げ必要 =セントルイス連銀

ビジネス

米PCE価格、8月は2.2%に伸び鈍化 3年半ぶり

ワールド

ゼレンスキー氏、トランプ氏に「勝利計画」提示 会談
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:羽生結弦が能登に伝えたい思い
特集:羽生結弦が能登に伝えたい思い
2024年10月 1日号(9/24発売)

被災地支援を続ける羽生結弦が語った、3.11の記憶と震災を生きる意味

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ日本の伝統文化? カギは大手メディアが仕掛ける「伝検」
  • 2
    ワーテルローの戦い、発掘で見つかった大量の切断された手足と戦場の記憶
  • 3
    白米が玄米よりもヘルシーに
  • 4
    中国で牛乳受難、国家推奨にもかかわらず消費者はそ…
  • 5
    プーチンと並び立つ「悪」ネタニヤフは、「除け者国…
  • 6
    中国が最大規模の景気刺激策を発表、これで泥沼から…
  • 7
    爆売れゲーム『黒神話:悟空』も、中国の出世カルチ…
  • 8
    野原で爆砕...ロシアの防空システム「Buk-M3」破壊の…
  • 9
    「ターフ/TERF」とは何か?...その不快な響きと排他…
  • 10
    50年前にシングルマザーとなった女性は、いま荒川の…
  • 1
    キャサリン妃の「外交ファッション」は圧倒的存在感...世界が魅了された5つの瞬間
  • 2
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ日本の伝統文化? カギは大手メディアが仕掛ける「伝検」
  • 3
    がん治療3本柱の一角「放射線治療」に大革命...がんだけを狙い撃つ、最先端「低侵襲治療」とは?
  • 4
    白米が玄米よりもヘルシーに
  • 5
    ワーテルローの戦い、発掘で見つかった大量の切断さ…
  • 6
    メーガン妃に大打撃、「因縁の一件」とは?...キャサ…
  • 7
    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…
  • 8
    レザーパンツで「女性特有の感染症リスク」が増加...…
  • 9
    NewJeans所属事務所問題で揺れるHYBE、投資指標は韓…
  • 10
    先住民が遺した壁画に「当時の人類が見たはずがない…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 3
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 4
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 5
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン…
  • 6
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 7
    「あの頃の思い出が詰まっている...」懐かしのマクド…
  • 8
    中国の製造業に「衰退の兆し」日本が辿った道との3つ…
  • 9
    無数のハムスターが飛行機内で「大脱走」...ハムパニ…
  • 10
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中