ニュース速報
ビジネス

ドイツGDP、今年も縮小へ 主要経済研究所が0.1%減予測公表

2024年09月26日(木)20時29分

 9月26日、ドイツの主要経済研究所は秋季合同経済予測で、2024年の国内総生産(GDP)見通しを0.1%減に下方修正したことを公表した。独フランクフルトで2019年撮影(2024年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

Maria Martinez

[ベルリン 26日 ロイター] - ドイツの主要経済研究所は秋季合同経済予測で、2024年の国内総生産(GDP)見通しを0.1%減に下方修正したことを公表した。関係筋の話としてロイターがすでに報じていた内容を確認した形だ。

昨年のGDPは0.3%縮小した。

25年の経済成長率予測も、従来の1.4%から0.8%に下方修正された。26年には1.3%に加速するとみられる。

DIWベルリンの予測・経済政策担当責任者、ジェラルディン・ダニークネドリック氏は「景気低迷に加え、ドイツ経済は構造的変化にも圧迫されている」と指摘。「脱炭素化、デジタル化、人口動態の変化は、中国企業との競争激化とともに、長期の成長見通しに水を差す構造調整の引き金となっている」と述べた。

主要経済研究所は経済成長がコロナ禍前の水準に回復するのは当面見込めないと予想。

ドイツ政府の経済対策パッケージについては、政府が想定するGDPの0.5%押し上げには不十分とみている。

DIWベルリンのダニークネドリック氏は、政府の想定と比べて効果が出るのはより遅く、影響は弱めと予想。キール世界経済研究所(IfW)のエコノミスト、ステファン・クーツ氏は「短期的な景気刺激プログラムではなく、成長のイニシアチブで、政府の方向性は正しいと評価したい」と述べた。

ユーロ圏については、今年の成長率が1.4%で、25年が1.6%、26年が1.7%に加速すると予想した。

<インフレ鈍化>

今年のインフレ率は昨年の5.9%から2.2%に鈍化すると予想されている。その後の2年間は欧州中央銀行(ECB)が目標とする2%の前後で推移する見通し。

労働市場が景気低迷の影響を受け始めるため、24年の失業率は23年の5.7%から6.0%に上昇する見込み。

経済省は、主要経済研究所の予測を基に予測を策定する。10月に新たな予測が発表される。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシアがICBM発射、ウクライナ空軍が発表 初の実

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部の民家空爆 犠牲者多数

ビジネス

米国は以前よりインフレに脆弱=リッチモンド連銀総裁

ビジネス

大手IT企業のデジタル決済サービス監督へ、米当局が
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱が抜け落ちたサービスの行く末は?
  • 2
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 5
    「ワークライフバランス不要論」で炎上...若手起業家…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    習近平を側近がカメラから守った瞬間──英スターマー…
  • 8
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 9
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 10
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 4
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラ…
  • 7
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 8
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 9
    沖縄ではマーガリンを「バター」と呼び、味噌汁はも…
  • 10
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶり…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 9
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 10
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中