ニュース速報
ビジネス

米国株式市場=下落、インフレ指標を消化 政局巡る不透明感重し

2024年06月29日(土)06時37分

米国株式市場は、序盤の上昇から下げに転じて取引を終えた。インフレ指標を消化した後、バイデン大統領と共和党のトランプ前大統領とのテレビ討論会を受けた政治的な不透明感が重しとなった。2011年2月撮影(2024年 ロイター/Eric Thayer)

[ニューヨーク 28日 ロイター] - 米国株式市場は、序盤の上昇から下げに転じて取引を終えた。インフレ指標を消化した後、バイデン大統領と共和党のトランプ前大統領とのテレビ討論会を受けた政治的な不透明感が重しとなった。

ナイキは1日当たりの下落幅としては約20年ぶりの大きさを記録。悲観的な見通しが嫌気された。

オールスプリングのアクティブ株式部門責任者、アン・ミレッティ氏は「連邦準備理事会(FRB)は2%目標をかなり真剣に考えており、規律を保っているため、インフレ率に大きな変化はないと思う」と述べた。

米商務省が28日発表した5月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.6%上昇し、前月の2.7%から鈍化した。前月比では変わらず。4月は0.3%上昇で改定されなかった。

LSEGのフェドウオッチによると、PCE価格指数の発表を受け、9月の利下げ確率は66%に上昇。市場では引き続き年内に利下げが2回実施されると見込まれている。

グローバルト・インベストメンツのシニアポートフォリオマネジャー、トーマス・マーティン氏は、27日の第1回討論会でのバイデン氏の不安定なパフォーマンスが株価を圧迫したと指摘。「人々は大統領選挙で何が起こるか考えようとしている。討論会後、不確実性は減るどころか、むしろ増大している」と述べた。

米債利回りが序盤の低下から一転した上昇したことも一部の大型株に対する圧力となった。

セクター別では、エネルギーと不動産の上昇が目立ち、それぞれ0.42%高、0.62%高となった。一方、公益事業と通信サービスはそれぞれ1.08%、1.63%下落した。

スポーツ用品大手の米ナイキが19.98%急落。2025年度決算について、予想外の減収見通しを示したことを受けた。一般消費財を押し下げた。

S&P総合500種とナスダック総合は四半期でそれぞれ3.9%、8.3%上昇した。一方、ダウ工業株30種は1.7%安となった。

個別銘柄では、光通信機器メーカーの米インフィネラが15.78%上昇。フィンランド通信機器大手ノキアが23億ドルで同社を買収すると発表した。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.29対1の比率で上回った。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 39118.86 -45.20 -0.12 39092.39 39443.60 38937.15

前営業日終値 39164.06

ナスダック総合 17732.60 -126.08 -0.71 17891.10 18035.00 17723.83

前営業日終値 17858.68

S&P総合500種 5460.48 -22.39 -0.41 5488.48 5523.64 5451.12

前営業日終値 5482.87

ダウ輸送株20種 15415.23 +149.26 +0.98

ダウ公共株15種 906.67 -5.86 -0.64

フィラデルフィア半導体 5472.26 +51.17 +0.94

VIX指数 12.44 +0.20 +1.63

S&P一般消費財 1492.14 -20.63 -1.36

S&P素材 556.50 -0.09 -0.02

S&P工業 1031.96 +0.83 +0.08

S&P主要消費財 819.86 -3.81 -0.46

S&P金融 684.26 +2.62 +0.38

S&P不動産 241.17 +1.49 +0.62

S&Pエネルギー 698.23 +2.91 +0.42

S&Pヘルスケア 1700.33 -1.30 -0.08

S&P通信サービス 310.19 -5.13 -1.63

S&P情報技術 4341.09 -18.72 -0.43

S&P公益事業 346.33 -3.79 -1.08

NYSE出来高 34.24億株

シカゴ日経先物9月限 ドル建て 39835 + 215 大阪比

シカゴ日経先物9月限 円建て 39790 + 170 大阪比

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国6月製造業PMI、2年2カ月ぶり高水準 世界的

ワールド

金総書記のバッジ、当局者が公務で初着用 個人崇拝の

ビジネス

大企業・製造業2期ぶり改善、物価見通しは引き上げ=

ビジネス

サウジアラムコ、ルノー・浙江吉利合弁に10%出資 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:小池百合子の最終章
特集:小池百合子の最終章
2024年7月 2日号(6/25発売)

「大衆の敵」をつくり出し「ワンフレーズ」で局面を変える小池百合子の力の源泉と日和見政治の限界

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「帰ってきた白の王妃」とは?
  • 3
    ウクライナ戦闘機、ロシア防空システムを「無効化」...滑空爆弾の「超低空」発射で爆撃成功する映像
  • 4
    キャサリン妃は「ロイヤルウェディング」で何を着た…
  • 5
    大統領選討論会で大惨事を演じたバイデンを、民主党…
  • 6
    エリザベス女王が「誰にも言えなかった」...メーガン…
  • 7
    爆破され「瓦礫」と化したロシア国内のドローン基地.…
  • 8
    ウクライナ軍がロシアのSu-25戦闘機を撃墜...ドネツ…
  • 9
    ガチ中華ってホントに美味しいの? 中国人の私はオス…
  • 10
    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    爆破され「瓦礫」と化したロシア国内のドローン基地...2枚の衛星画像が示す「シャヘド136」発射拠点の被害規模
  • 3
    メーガン妃が「王妃」として描かれる...波紋を呼ぶ「帰ってきた白の王妃」とは?
  • 4
    ミラノ五輪狙う韓国女子フィギュアのイ・ヘイン、セク…
  • 5
    ガチ中華ってホントに美味しいの? 中国人の私はオス…
  • 6
    ウクライナ戦闘機、ロシア防空システムを「無効化」.…
  • 7
    「大丈夫」...アン王女の容態について、夫ローレンス…
  • 8
    キャサリン妃は「ロイヤルウェディング」で何を着た…
  • 9
    衛星画像で発見された米海軍の極秘潜水艇「マンタレ…
  • 10
    貨物コンテナを蜂の巣のように改造した自爆ドローン…
  • 1
    中国を捨てる富裕層が世界一で過去最多、3位はインド、意外な2位は?
  • 2
    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に
  • 3
    ニシキヘビの体内に行方不明の女性...「腹を切開するシーン」が公開される インドネシア
  • 4
    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「…
  • 5
    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…
  • 6
    接近戦で「蜂の巣状態」に...ブラッドレー歩兵戦闘車…
  • 7
    新型コロナ変異株「フラート」が感染拡大中...今夏は…
  • 8
    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…
  • 9
    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思ってい…
  • 10
    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中