ヘス株主がシェブロンの買収案承認、ガイアナ油田権益問題が焦点に
米石油大手ヘスの株主は5月28日、同業シェブロンによる530億ドルの買収案を承認した。昨年10月撮影のイメージ写真(2024年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
Sabrina Valle
[ヒューストン 28日 ロイター] - 米石油大手ヘスの株主は28日、同業シェブロンによる530億ドルの買収案を承認した。
今後は規制当局による承認と、ヘスがガイアナに所有する油田権益を巡る米エクソンモービルおよび中国海洋石油(CNOOC)との係争の決着が必要になる。
シェブロンにとって買収を通じて収益性の高いガイアナの油田権益を取得できれば、ロシアのウクライナ侵攻に絡んでカザフスタンの油田開発合弁プロジェクトが地政学リスクにさらされている問題や、オーストラリアにおける液化天然ガス(LNG)プロジェクトのコスト増などによる業績への悪影響を緩和することができる。
市場関係者によると、米連邦取引委員会(FTC)が今月、エクソンによるパイオニア・ナチュラル・リソーシズの買収を承認するまでに要した期間を勘案すれば、今回の案件も来月には当局に認められてもおかしくない。
一方、エクソンはヘスのガイアナ権益を取得する可能性を否定しておらず、別の市場関係者からは、ヘスの株主がシェブロンによる買収を承認しても、エクソン側の主張に影響を与えることはないとの見方が出ている。