差し迫った利下げの必要性なし、金融政策は「好位置」=NY連銀総裁
米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は11日、金融政策は現在「好位置」にあり、経済情勢を踏まえると「極めて近い将来に金融政策を調整する明確な必要性はない」と述べた。2023年6月撮影(2024年 ロイター/Shannon Stapleton)
[ニューヨーク 11日 ロイター] - 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は11日、金融政策は現在「好位置」にあり、経済情勢を踏まえると「極めて近い将来に金融政策を調整する明確な必要性はない」と述べた。
また、現時点で利上げは想定しておらず、いずれ利下げが必要になるという認識も示した。
さらに、米連邦準備理事会(FRB)はインフレ抑制で「かなりの進展」を遂げたものの、見通しを巡る不確実性を踏まえると、政策決定に当たり今後入手されるデータを引き続き見極める必要があるという見解を示した。
直近の連邦公開市場委員会(FOMC)で示された経済見通しは「経済が予想通り推移すれば、今年から金融の引き締めを緩やかに緩和していくのが合理的であることを示している」としつつも、「今後の見通しは不確実で、引き続きデータに依存する必要がある」と強調。「最も効果的にFRBの目標を達成するために金融政策の適切な道筋を評価を進める中、データや経済見通し、リスクに注目していく」と述べた。
インフレ圧力は年内に2.25─2.5%程度に緩和し、来年には目標の2%に戻ると予想する一方、「最近のインフレ指標に見られるように困難に直面する公算が大きい」と警告した。
家賃インフレはある程度緩和すると見通しとしつつも、商業用不動産は懸念事項で、この分野の問題を解決するには時間がかかるという認識を示した。ただ、金融システムの安定に打撃を与える兆候は確認していないとした。
今年の経済成長率は2%、失業率は4%まで緩やかに上昇した後、来年は再び低下に転じると予想した。
また、バランスシートの縮小ペース鈍化を巡る計画の策定は、バランスシート縮小の終了を意味しているわけではないとも述べた。