独VWが仏ルノーと2万ユーロEVで共同開発協議=独紙
ドイツの自動車最大手フォルクスワーゲン(VW)がフランスの自動車大手ルノーとの間で、2万ユーロで買える電気自動車(EV)の共同開発に向けて協議しており、20万─25万台を年間生産目標としていると、8日付ドイツ経済紙ハンデルスブラットが報じた。写真はVWのロゴ。仏ナント近郊で11月撮影(2023年 ロイター/Stephane Mahe)
[ベルリン 8日 ロイター] - ドイツの自動車最大手フォルクスワーゲン(VW)がフランスの自動車大手ルノーとの間で、2万ユーロ(2万1476ドル)で買える電気自動車(EV)の共同開発に向けて協議しており、20万─25万台を年間生産目標としていると、8日付ドイツ経済紙ハンデルスブラットが事情に詳しい複数の関係者の話として報じた。
同紙によると、VWは、多くのドライバーにとって手が届く価格設定を見込んでおり、骨格部分となる車台(プラットフォーム、PF)の共同開発がそうした価格実現につながるとして関心を抱いている。ただ、複数の関係筋は協議が現在「とても初期の段階」にとどまっており、破談になる恐れもあると話したという。
VW広報担当者はコメントしなかった。
ルノー広報担当者は小型エントリーEVと対等の競争力を持つには共同開発が必要と述べたものの「さまざまな意見交換をしている最中で、何も決着していない」と話した。
欧州の自動車メーカーはこのところ、米テスラ車や中国メーカーの低価格車の激しい販売攻勢に直面しているため、従来よりも買いやすい価格でEVを市場投入する取り組みに力を入れている。
英調査会社JATOダイナミクスによると、今年上半期の欧州のEV販売価格は一般ドライバー向けで平均6万5000超ユーロだった。中国で販売されたEVの平均価格は3万1000超ユーロにとどまった。
VWは3月、2万5000ユーロで買えるEV開発について詳細を説明した。2025年までに発売する予定という。2万ユーロのEV発売も検討中と明らかにしたが、それ以上は踏み込まなかった。
ルノーは11月、EVの新型「トゥインゴ」発売を発表した。その際、ティエリー・ピエトン最高財務責任者(CFO)はEVが一般ドライバーの間で普及することを狙って価格を2万ユーロ未満に設定したことを明らかにした。