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イランと米国は12日、オマーンでイランの核開発プログラムに関する協議を行った。写真はイランのアラグチ外相(左)とオマーンのバドル外相。マスカットで撮影(2025年 ロイター)
Parisa Hafezi
[ドバイ 12日 ロイター] - イランと米国は12日、オマーンでイランの核開発プログラムに関する協議を行った。両国は「前向き」かつ「建設的」な内容だったと評価し、来週再開することで合意した。
今回の協議はトランプ米大統領が求めていた直接対話ではなく、イラン側の意向に沿ってオマーンの仲介による間接的な形式で行われた。イラン側はアラクチ外相、米側はウィットコフ中東担当特使とエスクロジマ駐オマーン大使らが出席した。
アラクチ氏は国営テレビに対し、「生産的かつ穏やかで前向きな雰囲気」の中で協議が行われたと述べた。
「交渉の土台に非常に近づいていると思う。来週この土台がまとまれば大きな前進となり、それに基づいて真の議論を始めることができるだろう」と語った。
「双方は協議を継続することで合意した。おそらく来週の土曜日(19日)になる」とし、「イランと米国は短期的な合意を望んでいる。協議のための協議は望んでいない」と述べた。
イラン政府筋はロイターに対し、最高指導者ハメネイ師が協議に関してアラクチ氏に「全権」を与えたと明らかにした。
ホワイトハウスは声明で、会談は「非常に前向きで建設的」だったと評価した。
「一連の問題は非常に複雑であり、ウィットコフ氏による直接的な対話は、両国にとって有益な結果の達成に向けた一歩となる。双方は来週の土曜日に再会することで合意した」とした。
トランプ氏は大統領専用機エアフォースワン内で記者団の質問に答え、「(協議は)順調だ。イラン情勢もかなり良好だと思う」と語った。
<両国代表が接触>
イラン外務省のバガイ報道官によると、イランと米国の代表団はそれぞれ別の部屋で待機し、オマーン外相を介してメッセージをやり取りした。
アラクチ氏は協議終了後にウィットコフ氏と短時間接触したことを明らかにした。
「2時間半以上に及ぶ間接協議を終えて退席する際に、イランと米国の代表がオマーン外相の立ち合いの下で数分間言葉を交わした。これは外交儀礼に基づいたものだ」と説明した。
オマーンの情報筋はロイターに対し、「協議の現在の焦点は地域的緊張の緩和、囚人の交換、そしてイランの核開発計画の管理と引き換えに対イラン制裁を緩和する限定的な合意となる」との見通しを示した。
バガイ氏はこの見解を否定したが、何が事実と異なるのかは明らかにしなかった。
同氏は「これは始まりに過ぎない。現段階では双方がオマーンを通じて互いの基本的な立場を示すのは当然のことだ」と述べた。
米国とイランの対話が進展すれば中東の緊張が緩和する可能性がある。しかし、不調に終われば紛争が拡大するとの懸念が高まる恐れがある。
トランプ氏は合意に至らなければ軍事行動も辞さない構えを見せている。一方、イランは米軍の攻撃に関与した国は「深刻な結果」に直面すると警告している。