コラム

ChatGPT、Bard... AIは決して間違えない、決して。

2023年05月25日(木)21時15分
生成AI

ILLUSTRATION BY AYAKO OCHI FOR NEWSWEEK JAPAN

<対話型AI「チャットGPT」が話題だが、果たしてどの程度信用できるのだろうか。このジョークにあるように、どんな質問をするか次第かもしれないが>

【AIの力】

少年が対話型人工知能(AI)に聞いた。

「僕のパパが今どこにいるか、分かる?」

AIが答えた。

「あなたのパパは今、湖で釣りをしています」

少年は笑いながら言った。

「ハズレ! 僕のパパはもう5年も前に亡くなっているんだから!」

この結果を知った開発者たちは大いに驚き、すぐさま検査とテストを繰り返した。

数日後、開発者たちが少年の家を訪れて言った。

「もう一度、同じ質問をしてくれるかな。ただし、今回は『僕のパパ』ではなく、『僕のママの夫』という言葉を使ってほしい」

「いいよ。やってみる」

少年はAIに聞いた。

「僕のママの夫が今どこにいるか、分かる?」

しばらく時間がたった後、AIが答えた。

「あなたのママの夫は5年前に亡くなりました。でも、あなたのパパは今、湖で釣りをしています」

◇ ◇ ◇


対話型サービス「チャットGPT」などの生成AIをめぐる議論がいよいよ盛り上がってきている。

アメリカの名門ビジネススクール、ペンシルベニア大学ウォートン校の研究によると、チャットGPTは既に同校のMBA(経営学修士)の最終試験に合格できるだけの能力を持っているという。その進化のスピードは驚異的であり、今後、さまざまな分野において、業務の大幅な効率化が期待される。

その一方で、間違いが多いことも指摘されている。グーグルは2月、AIチャットボット(自動応答プログラム)「Bard(バード)」を発表したが、そのデモ動画において「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の成果」について、「世界で初めて太陽系外の惑星の撮影に成功した」と回答した。

しかし、これは完全なる「誤答」。これを受けて親会社アルファベットの株価は急落した。

プロフィール
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

訂正-米テキサス州のはしか感染20%増、さらに拡大

ワールド

米民主上院議員、トランプ氏に中国との通商関係など見

ワールド

対ウクライナ支援倍増へ、ロシア追加制裁も 欧州同盟

ワールド

ルペン氏に有罪判決、次期大統領選への出馬困難に 仏
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 9
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story