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横暴な中国の「サラミ戦術」に今こそ対抗せよ
ILLUSTRATION BY AYAKO OCHI FOR NEWSWEEK JAPAN
<香港問題のみならず、チベット、ウイグル、そして海洋にも中国の覇権主義は至っており、「香港の次は台湾、そして尖閣」という警鐘も鳴らされている。日本にとっても決して人ごとではない>
【帰属の証明】
尖閣諸島の帰属を明確にする方法が一つある。
島で香港に関するデモをしてみればよい。
認可されれば日本。
弾圧されれば中国である。
2020年6月30日、中国の習近平(シー・チンピン)国家主席は香港国家安全維持法(国安法)に署名。これにより、香港における従来の高度な自治と法の支配は根本から揺らぐことになり、同地の発展を支えてきた「一国二制度」は完全に形骸化された。
目下、中国には国際社会から批判が集中している。香港は中国と世界を結ぶ「金融・ビジネスセンター」。中国への直接投資の約7割は香港を経由して行われてきた。国際社会は香港を無視できない。
なかでも日本は、香港との深い結び付きを有している。在香港の日系企業の数は約1400社に及び、これは中国以外の国では最も多い数字である。
G7は外相声明として国安法の導入に関する懸念を表明したが、これを主導したのは日本であった。
中国による弾圧はチベットやウイグルにも及んでいるが、その覇権主義は海洋にまで至っている。
7月には、南シナ海のパラセル諸島周辺で中国海軍が軍事演習を断行。コロナ対策に世界中が追われているなかで、その隙を突くようにして対外膨張の手を強める中国の態度は、国際社会の怒りを買った。
このような中国の動向は、日本にとっても人ごとではない。中国の公船による尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海への侵入は既に常態化。「香港の次は台湾、そして尖閣」という警鐘も鳴らされている。
「サラミ戦術」に対抗せよ
中国は日本に対し「サラミ戦術」を使っているとされる。この戦術はハンガリー共産党のラーコシ・マーチャーシュの言葉に由来するもので、「サラミを薄く切るように少しずつ状況を変えていけば抵抗は少ない」という意味を表す。日本は既に随分とスライスされてしまっているのではないか。
7月23日、アメリカのマイク・ポンペオ国務長官は、対中政策について以下のように語った。
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