コラム

コロナ禍のいま何が必要か? → ロシア人の答えは......

2020年05月08日(金)11時20分

ILLUSTRATION BY AYAKO OCHI FOR NEWSWEEK JAPAN

<民族の個性を「差別」するのではなく「ユーモア」として遊ぶのがエスニックジョーク。今のような困難の多い時代ほど「笑い」の重要性は増す。そんなエスニックジョークを1つ、教えましょう>

【いま何が必要か】
国際会議で「コロナ禍の今、何が必要か」について話し合われた。

アメリカ人が言った。

「勇気だ」

ドイツ人が言った。

「ルールだ」

フランス人が言った。

「愛だ」

日本人が言った。

「技術だ」

最後にロシア人が言った。

「ウオッカだ」

みんなが不思議そうに聞いた。

「ウオッカを飲むとウイルスを抑制できるのですか?」

ロシア人が答えた。

「ウイルスを抑制することはできません。しかし、不安を抑制することはできます」

◇ ◇ ◇

国民性の違いを笑いのネタにしたジョークのことを「エスニックジョーク」と呼ぶ。世界中で人気のあるジョークカテゴリーの1つである。

このようなジョークは各民族の「ステレオタイプ」を風刺したものだが、いずれも思い当たるところのある配役と言えるであろう。ロシア人は永遠の「酔っぱらいキャラ」。世界中でイジられている。

近年、登場シーンを増やしているのは中国人。以前は「何でも食べる」「自転車に乗っている」くらいの役柄だったが、最近では「成り金」「強欲」「マナーが悪い」といったキャラでオチに使われるシーンが目立つようになった。ジョークは時代の鏡。自業自得か。

その他、「好色なイタリア人」「ケチなスコットランド人」「まぬけなポーランド人」といったキャラもよく登場する。ポーランド人は特にアメリカでジョークのオチにされているが、その理由は「かつて渡米してきたポーランド人の英語がヘタだったから」。なんとも高い代償を払わされたものである。

エスニックジョークとは、民族の個性を「差別」するのではなく「ユーモア」として小気味よく遊ぶもの。この線引きを間違えてはいけないが、このようなジョークを楽しむくらいの心の余裕は大事である。今のような困難の多い時代ほど「笑い」の重要性は増す。会話の中のちょっとしたユーモアが、生活を彩り、人間関係に潤いを与える。

プロフィール
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場・寄り付き=ダウ約300ドル安・ナスダ

ビジネス

米ブラックロックCEO、保護主義台頭に警鐘 「二極

ビジネス

FRBとECB利下げは今年3回、GDP下振れ ゴー

ワールド

ルペン氏に有罪判決、被選挙権停止で次期大統領選出馬
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    「炊き出し」現場ルポ 集まったのはホームレス、生…
  • 5
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 9
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 10
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story