ロシアが負ければ、プーチンの自国至上主義は「歴史のごみ箱行き」になる
ロイド・オースティン米国防長官は4月25日、アメリカは「ロシアがウクライナに侵攻して行っているようなことができない程度まで弱体化することを望む」と語り、戦略目標を明言した。冷戦時代の「封じ込め」政策を超えて、持続的な軍事的・経済的圧力でロシア政権の本質を変えようというのだ。
ウクライナ軍がロシア軍を破り、アメリカがロシアの政権を無力化してその政治文化を変革することに成功すれば、2022年のウクライナ戦争は、2回の世界大戦に匹敵する世界史の転換点になるだろう。
1つ目のシナリオとして、このように規範的な国際秩序が勝利した場合はどうなるか。
軍事制裁と経済制裁が成功してロシアの力が弱まり、他国を攻撃できなくなったとしても、現在のアメリカの戦略目標の下では、ロシアは孤立したままだろう。西側諸国がロシアを再び一国家として受け入れるためには、ロシアの指導部と社会が帝国的、ゼロサムゲーム的、勢力圏的な世界観を自ら否定しなければならない。
つまり、プーチンとロシア社会を覆う自国至上主義は、レーニンやスターリンと共に、革命家トロツキーの言う「歴史のごみ箱行き」になるだろう。
プーチンの後を継ぐ政権がどのようなものであれ、言論の自由を守り、公平で透明な法制度を確立して、自由な選挙を定期的に行い、国境の不可侵性とロシアの近隣諸国の主権を長期的に認めなければならない。これはアメリカが常に提唱してきた立場であり、国連の理想でもある。
そして、こうした立場をプーチンや中国の習近平(シー・チンピン)国家主席、イランの最高指導者アリ・ハメネイなど世界の全ての全体主義者は、自分たちの存続に対する脅威であり、西洋の文化帝国主義であり、「他国への内政干渉」だと見なしている。
1945年以前の世界に?
プーチン政権を倒してロシアの政治的慣行や文化を変革しようというのは、第2次大戦で米英がほぼ達成したことに並ぶ、妥協のない最大限の目標だ。
ただし、国家の世界観や政治文化を変えようとすることは、しばしば傲慢な行為になる。アメリカ人はそのことを、ベトナム、イラク、アフガニスタンでの壮大な失敗から学んできたはずだ。
もっとも、歴史は1人の指導者で変わることも少なくない。ミハイル・ゴルバチョフ元大統領は旧ソ連の政治と文化に革命を起こして解放し、プーチンはゴルバチョフが成し遂げたことを元に戻してきた。ロシアが国際システムに再統合されるかどうかは、プーチンの後を誰が、どのように継ぐかに懸かっている。
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