2年乗った車が購入時よりも高く売れるアメリカ、限度を超えたインフレの行方
これらの要素以上に、アメリカ人の物価感覚や景気感覚を大きく左右する要素がある。それはガソリンと自動車の価格である。アメリカ人は、仕事でも私生活でも自動車中心に生活を組み立てているからだ。
アメリカのガソリン価格は、今年に入って約1.5倍に上昇し、1ガロン当たり5ドルに達している。実は、インフレ調整済みの値を見ると、ガソリン価格は過去40年間ほとんど変わっていない。しかし、人々の生活実感は異なる。最近のガソリン価格の急上昇により、庶民の家計は大きく圧迫されている。
ガソリンだけではない。自動車の価格も上昇している。最近、息子が中古車を購入しようとしたのだが、新型コロナの影響で新車の供給が不足しているために、中古車相場も上昇していた。
中古車価格はこの1年間で平均16.1%上昇し、車種によっては1万ドル以上高騰しているケースも珍しくない。あまりの値段の高さに驚いた息子は購入を諦めて、妻の古い車に乗ることにした。
実際、中古車相場には目を見張るものがある。今年、妻が2年乗ったテスラ車を売却したところ、購入したときに支払った価格より高く売れたのだ。妻はしばらく新しい車を買うつもりはないという。サプライチェーンの問題が解消されて、新車と中古車の供給不足が和らぐまで待つつもりだ。
もっとも、それは1年先なのか、それとも2年先なのか。いずれにせよ、11月の中間選挙で民主党の苦境を救うには間に合わないだろう。
旺盛な需要と供給の遅れにより、新車の価格は最近1年間で12.6%上昇している。テスラ社は3月に基本価格を2500ドル前後引き上げ、6月半ばにさらに最大6000ドル引き上げた。ほかの自動車メーカーもこぞって値上げに踏み切っている。
新車の納車待ちの期間も非常に長くなっている。車が手に入るまでの期間は平均して12週間。一部の車種は、1年以上待たなくてはならない。
幸い、私と妻は、ガソリン価格高騰の影響を受けずに済んでいる。韓国メーカー、起亜自動車の電気自動車に乗っているからだ。最近、電力価格も大幅に上昇してはいるのだが、電気自動車を1キロ走らせるためにかかるコストは、ガソリン車の3分の1程度で済むのだ。
金利引き上げの効果は?
しかし、アメリカの自動車所有者の98%は、いまだにガソリン車に乗っている。これらの人たちは、ガソリン価格の上昇に悲鳴を上げている。
アメリカの多くの家庭は、厳しい選択を突き付けられている。職場に通勤するためにガソリンを購入することを選ぶか、病気の家族のために薬を購入することを選ぶかという究極の選択だ。
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