北京五輪「外交ボイコット」続々、世界が注目するのは日本の対応
クーベルタンやその後継者たちの理想とは異なり、スポーツも政治と無縁ではない。中国は国力を増し、攻撃的姿勢を強めている。中国は自国の専制主義国家モデルが民主主義モデルより優れているかどうかを決める激しい国際的「競争」を展開していると、バイデン米大統領は指摘した。
バイデンは正しい。今や新たな冷戦が始まっている。だからこそ日本は今、選択しなければならない。五輪に参加し、中国の内政・外交政策を黙認するか。そうなれば中国が国際的基準を定め、日本やその他の国はある種の属国となる世界に一歩近づくことになる。それとも大会をボイコットし、中国の政策に反対して怒りを買うか。
答えは、日本がどのような国際秩序を望むかによる。現在の国際的規範システムの下で、世界は史上最も平和で豊かで公正な時期を謳歌してきた。日本を含む全ての国は北京五輪をボイコットし、人権と民主主義に基づく国際的規範を再確認すべきだ。大会ボイコットは緊張を高めることになるが、それこそ正しい行動なのだ。

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