窮地のトランプは「法と秩序」カードで68年ニクソン勝利の再現を狙う
アメリカの選挙制度では地方の州が優遇され、そうした地域では共和党とトランプが強い。前回の大統領選でヒラリー・クリントンより総得票数の少なかったトランプが勝利できたのは、地方に住む保守派の白人を厚遇する構造的バイアスのおかげだ。
しかし、今のアメリカは1968年とは違う。当時は法と秩序を軸にした保守派の恐怖政治と、リベラルの革新的な希望の政治という構図が明確だった。有権者の9割は白人で、黒人は1割ほど。だが今や白人は67%にすぎず、黒人は約13%となった。過半数がトランプを支持するのは白人男性層のみだが、彼らはもはや圧倒的多数派ではない。
そしてトランプのファシスト的傾向の問題がある。再選を果たすためなら、汚い手を使ったり、選挙日程を遅らせるのではないか。トランプの独裁的な言動と「私が勝てば選挙結果を尊重する」といった発言を考えると、そんな不安が拭えない。
<本誌2020年6月23日号掲載>
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