「今やアメリカの指導者は嘘つきで英雄などどこにもいない」元CIA工作員のコロナ在宅日記
シマリスとの戦いに疲れてひと休みする?愛犬のモホーク GLENN CARLE
<アメリカは常に成功し問題を解決する国だった。それが今では指導者は嘘つきで、英雄なんてどこにもいない――無能で腐敗した大統領が大手を振る国のコロナな日常>
わが家の庭にシマリスの一家が住み着き、芝生を掘って巣穴を作った。この不届きな一家を追って成敗しようと、愛犬のモホークも芝生を掘った。おかげで被害は拡大した。モホークは番犬のはずだが、小さな害獣の侵入に過剰反応し、事態をさらに悪化させている。
わが家の庭の状況は、新型コロナウイルスに翻弄される社会の絶好のメタファーだ。
3日前、私はスーパーマーケットに足を踏み入れた。妻も私も感染を免れているが、自宅以外の建物を訪れるのは実に72日ぶりで、これはかなり緊張した。客はほとんどいなかった。誰もがマスクを着け、他の人と擦れ違わないよう床の矢印をたどって歩いていた。
ここマサチューセッツ州とアメリカの半分で、日ごとの死者と新規感染者はゆっくりと減り続けている。国の残りの半分では、死者と感染者が増えている。
5月26日午後12時30分、アメリカの死者は10万人に達した。買ったばかりのアボカドと牛乳にそれだけの危険を冒す価値があったのか、帰りの車の中で疑問が湧いた。
ウイルスに対する私たちの唯一の武器は、社会的距離を取ることだ。私と家族は社会的距離戦略の継続を強く支持しながら、それに伴う経済的・社会的コストの深刻さに気付いている。それでもトランプ米大統領と共和党支持者は、経済再開と社会が正常に「見える」ことが再選のために重要だと考えている。国民の命を守ることよりもだ。
学校や企業の再開は安全なはずがない
わが家に近いビーチは6月1日に再開する予定だが、家族は誰も行かない。多くの人々がマスクも着けず、肘がぶつかり合うくらいの距離で立ち飲みのバーに群がる他のビーチの画像を見て、私たちはぞっとした。
それに、どれだけ対策を講じても、飛行機による移動が安全とは思えない。学校や企業の活動再開も安全なはずがない。
新型コロナウイルスのせいで1日に約1500人のアメリカ人が死んでいるというのに、政府はスポーツイベントや経済活動の再開を求めている。もはや過失致死罪に当たる行為だが、死者が出ることなど承知の上なのかもしれない。
私が13歳のとき、月を目指したアポロ13号は事故に遭遇した。宇宙飛行士はいつだって英雄だったから、私は彼らが問題を解決できると信じていた。実際、乗組員は問題を解決し、危機を勝利に変えた。アメリカは常に成功し、問題を克服する国だった。
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