安倍首相はイラン訪問で日本の国益と国際社会の安定のために勇気を示した
第2に、安倍の訪問はアメリカが加速させている国際秩序の継続的崩壊を浮き彫りにするものでもある。国際社会に一貫性と責任感のある指導者が不在の今、安倍はその空白を埋める存在になりつつある。イラン訪問の目的は達成できなかったが、安倍が無秩序と混乱に向かおうとする国際政治の流れを止めようとした点は評価できる。
第3に、安倍の訪問は日本の国際的役割を第二次大戦後で最大レベルに高めようとする安倍自身の強い意志の表れでもある。現在の国際政治の潮流を考えれば、それは間違いなく日本の利益になる。世界の利益になることもほぼ確実だろう。
ある意味で安倍の動きは、アメリカによる2003年のイラク侵攻前にフランスのシラク大統領が取った行動とよく似ている。シラクはイラク侵攻に反対したが、止めることはできなかった。
それでも、フランスが当時のブッシュ米大統領の言いなりになっていたら、事態はさらに悪化していたはずだ。個々の取り組みが失敗に終わったとしても、原理原則を貫くことには十分な意味がある。
安倍は対米協調を維持しながら米・イランの対立緩和を目指し、一方でアメリカの一貫性欠如と中国の台頭によって生じた国際政治の空白を埋めようとしている。この政策は長期的に見て、日本と国際秩序の利益になる。一部の評論家による酷評は、その代償だ。
<2019年6月25日号掲載>
※6月25日号(6月18日発売)は「弾圧中国の限界」特集。ウイグルから香港、そして台湾へ――。強権政治を拡大し続ける共産党の落とし穴とは何か。香港デモと中国の限界に迫る。
2025年1月21日号(1月15日発売)は「トランプ新政権ガイド」特集。1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響を読む
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
大統領の「自爆」クーデターと、韓国で続いていた「軍人政治」 2024.12.26
民主主義の危機は民主主義のシステムそのものに内在している 2024.12.14
元CIA工作員が、かつての敵国ベトナムを訪問して新たに発見したこと 2024.11.27
リアリストが日本被団協のノーベル平和賞受賞に思うこと 2024.10.22
戦術で勝ち戦略で負ける......「作戦大成功」のイスラエルを待つ落とし穴 2024.10.08
-
港区 営業アシスタント「海外ネットワークを持つ外資系総合商社」フレックス/残業月10h/年休120日
コーンズ・アンド・カンパニー・リミテッド
- 東京都
- 年収500万円~550万円
- 正社員
-
一般事務/メーカー 残業なし/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
貿易事務/流通関連 駅チカ/外資系企業/20-30代活躍中
株式会社スタッフサービス ミラエール
- 東京都
- 月給20万6,000円~
- 正社員
-
経験5年必須/プリセールス/年商250億円企業/リモート可/外資系企業
SAI DIGITAL株式会社
- 東京都
- 年収400万円~750万円
- 正社員